テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 今回は、ゴルファーにありがちな「あるある」失敗エピソードを披露してくれた良純さん。最近、新しいゴルフクラブを入手したそうですが、果たして最新テクノロジーは、ゴルフ人生40年の集大成の一助となったのでしょうか。
ゴルファーの皆さん、こんな経験ありませんか?
明治維新か大化の改新か。今日の僕は、今までの僕とは違う。今日こそは、新たな自分を皆に見せつけてやる。そんな思いで、朝も早くからゴルフ場を目指すアマチュアゴルファーは後を絶たない。
前日のゴルフレンジでバカ当たりしたのだろうか。レッスンビデオを観て奥義を会得したのだろうか。それとも誰かの何気ないひと言で開眼したのだろうか。自信と自分自身への期待を込めて、一番ホールのティーグラウンドに立つ。これ、ゴルファーあるある。

ティーグラウンドからホールロケーションをひと通り見回したならば、自分の打ちたいボールをイメージし、それに即した場所にボールをティーアップする。
左にやや曲がるドロー系のボールを打つ僕は、コースの右端から緩やかにドローしてフェアウェーセンターを狙う。ならば、ティーグラウンドの右端にティーアップするとしよう。
ゴルフに大切なのはリズム。かのジャニー喜多川氏もおっしゃっていたではないか、歌も踊りも、芝居だって一番大切なのはリズムだと。ジャニーさんのスターの原石を見極める目は若者のリズム感に向けられていたという。なるほど、僕はジャニーズとは縁遠かったわけだ。でも、歌や踊りは苦手でも、40年もやっていればおじさんだってゴルフに必要なリズムは理解できる。
ティーアップしたら後ろに回ってボールとフェアウェーの目標物を直線でつないでみる。打つ方向が決まったら理想のスイングをイメージしてその場で2回素振りしてボールに近づく。左手、右手とグリップしたらスタンスを決める。ここでターゲットを今一度確認したら、あとはボールに集中する。1でピタッとボールの後ろにクラブをセット、2でテイクバック。3でクラブを振り下ろす。
僕のこのルーティーン、ゴルフをよく知る人の中には「ウム」と首をかしげる人がいるかもしれない。でも、酒屋万流(さかやばんりゅう)というではないか。酒造りに一つの正解がないように、ゴルフにだってたった一つの正解はない。どうやっても構わない。美味しい酒ができるように、ナイスショットできればいい。リズムに乗ってあとは自分がイメージしたスイング通りにクラブを振れば、必ずやボールはターゲットめがけて飛んでくに違いない。
ところが…。頭の中のシミュレーションは完璧。素振りの振り心地は最高。家の近くの40ヤードの小さな練習場では向かいのネットに剛球を次々と突き差す。河川敷の広い練習場では思い通りに球を打ち分けられる。ところが何故か、コースに出ると当たらない。これも、ゴルファーあるある。
しかし、今回の僕はそんなゴルファーあるあるとは一線を画している。遂に最新モデルのゴルフクラブを手にしたのだから。
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