テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 梅雨真っ只中のこの季節、石原さんが最も熱中しているのが「テニス」。先日も大学以来のライバルに完勝しました。この完全勝利には、理論で裏付けられたワケがあると石原さんは話します。
僕のテニスの4つの改善点

「あ~あっ、雨か」
無人のテニスコートに、細かな霧雨が降り続く。ネットは降ろされ、クレーコートには薄っすらと水が浮き出ている部分もある。この様子では、明日もプレーできそうにない。仕事合間の空き時間。テニスで一汗かこうと思っていたのに。
今の僕のテニスは絶好調なのだ。先日は、大学以来の友人との年に一度の定期戦でボコボコにやっつけた。サーブよし、ストロークよし、ボレーよし。試合の後、とんかつを食べに行ったが、楽しく談笑する佐藤クンの胸の内は、悔しさで煮え繰り返っていたに違いない。
完全勝利の訳は、僕のテニスの4つの改善点にある。
グランドストロークは、ラケットの重みを感じて大きく振る。すると打球も大きくなり、相手コートのベースライン深くへ飛び込む。腕に力を入れていくら振り廻しても飛ばない球が、簡単に遠くへ飛んで行く。ラケットのガットにボールが厚く当たるから、回転がかかりラインをオーバーすることもない。力を入れ過ぎて試合中に右掌がつった以前の僕とは大違いだ。
スイングは力が抜けてこそ一人前。そんな当たり前のことに気が付いたのは、ゴルフ練習場でのこと。ゴルフも要らぬ力を抜いて、ヘッドの重みを感じてクラブを振る。そんなイメージを頭に浮かべながら、黙々と球を打ち込んでいた僕は、「これって、テニスも一緒じゃん」と気がついた。テニスコートで試してみると、なるほど、打球が延びるようになった。
しかし、残念ながら、ゴルフは余り進歩がない。まだまだ、何か足りない。更なる研究が必要なようだ。
二つ目の改善点は、ボレー。フォアボレーのグリップをバックボレーと同じ薄い握りにすると、どうも当たりが悪い。打ったボールは、ガシャリと擦り球になって、ロクに飛ばずにネットしてしまう。少しでも球を飛ばしてやろう、と球を引きつけて体の真横でインパクトするように心掛けても、今度は相手の球威に押されてしまう。
そこで、打点を体の前に。そして、インパクトの瞬間に右手の親指を内側に巻き込んで、ラケットの面をしっかり作ってボールを押す。すると、ガットがボールをこれまた厚くとらえ、相手コートの奥深くに鋭い球が返るようになった。