テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。前向きに生きれば、日々是好転! この4月から、福岡でも朝の情報番組のレギュラーを持つことになった石原さん。裕次郎叔父から「遅刻をするな、時間を守れ」との薫陶を受けていたが…。
三つ目でバチッと全回路が作動する
フト目を開けるとカーテンの隙間の空が、薄っすらと白んでいるのに気がついた。
「あれ、ここは、どこだっけ。今日は、ナンだっけ」
「ここは、博多」
「今日は、朝の情報番組」
一つ、二つと頭の中の回路がゆっくり繋がってゆく。三つ目でバチッと全回路が作動する。
「やべっ」
とベッドから飛び起きて、枕元のサイドテーブルのデジタル時計を見ると、「5:35」を表示している。なにしろ、今朝は6時からの生放送。何をどうして、こうするか、脳をフル稼働させる。
シャワー、うがい。ヒゲ剃りは局に着いてから。プロデューサーへの電話は局に向う途中で。頭が現状をしっかり把握した頃には、ズボンのチャックも閉めずに、僕はホテルの部屋を飛び出していた。
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- 僕は一度もビンタをくらうことはなかった
