自宅の庭先でアウトドア・ナイトをエンジョイ
となれば、今夜はテントで寝てしまおう。でも、良将は腹痛。奥さんは無視。舞子にまで、付き合えないと呆れられる。いやいや、人は野生味を失ってはいけないのだ。僕はひとり夜の闇へ出かけた。
でも、居住性はより快適に確保したい。寝袋で寝なくても、庭なら布団も持ち出せる。
ただ寝るだけなのも、もったいない。LEDのランタンをつけて、布団の上にあぐらをかいて缶ビールを空ける。あては、さきイカ。テントの夜が人の目にブリリアントと映るかどうかは分からぬが、僕は充分にアウトドア・ナイトをエンジョイした。ただ、玄関の鍵を閉められて、歯みがき出来なかったのがちょっと残念。
連日、最高気温が26.7℃まで上がった今年のゴールデンウイーク。でも、アウトドアをなめてはいけない。家の自室ならば布団をひっ剥がして眠るところだが、ちゃんと掛け布団と毛布を用意した。寝まきはTシャツにトレーナーの上下、と完全に冬仕様。
それでも、薄ら寒さに、朝、目が覚めた。
冷えは地面からやって来る。そして、気温は部屋の中とテントの中では、10℃は違う。夜は寒い。夜は暗い。そんな当たり前のことを、思い出した。
キリマンジャロ登山で、酸素が薄く苦しいなか、日が登りはじめた時には、どれだけホッとしたことか。東シナ海をヨットで渡る時には、水平線から昇る朝日にどれだけ励まされたことか。僕は、お日さまの有難さを、都会のテントの中で思い出した。
テントに泊まって野生の勘を取り戻すことをお勧めする。
でも、一泊だな。
俳優・気象予報士
