テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。前向きに生きれば、日々是好転! 今年のゴールデンウイークは、子どもの部活・受験で家族旅行に出かけられない石原さん。一年前に衝動買いしたテントを自宅の庭に張り、アウトドア・ナイトを楽しもうとしますが…。
アウトドア初心者、自宅でテント張りにチャレンジ
なんだか薄ら寒い。僕は布団の中で体を丸めた。まぶたの向こうに光を感じる。どうやら、外は明るくなり始めたようだ。
日の出前のこの時間が、一日で気温が一番低いのは当たり前。そんなことをぼんやりと考えながら、再び眠りにつこうと思ったら、突然、辺りが騒がしくなった。チュン、チュン、チュン。鳥達が日の出とともに行動を開始したようだ。
枕元の携帯電話で時間を確認すると、4時半を廻ったところだ。早起きするにせよ、早過ぎる。増してや、今日はオフ日。ここは意地でも、朝寝坊してやらなければ、気が済まない。
気合を入れて、キッチリとまぶたを閉じる。いやいや、リラックス、リラックス。呼吸を静かに、体の力が抜けてきて、ようやく眠けが寒さに勝てるのだ。さあ、眠りに落ちるその時、今度はバイクの音が頭の上で大きく鳴り響いた。我が家の新聞配達は、4時半であることを知った。
このゴールデンウイークの最大イベントは、庭にテントを張って泊まること。長男・良将は、部活。長女・舞子は、バレエと受験勉強。とても親と旅行に行く暇はないそうだ。ならば、屋外活動を自宅で楽しんでしまおうというワケだ。
そもそも、テントを買ったのは一年も前のこと。アウトドアライフへの憧れ半分。熊本地震のニュース映像の影響が半分。お父さんたるもの、女房、子供等の前でテキパキとテントの一つも張れなければ、と衝動的にネットショップをクリックしてしまった。
とはいえ、商品が届くと間もなく梅雨入り。夏になれば、暑いし蚊が多い。秋がようやく深まって庭に蚊がいなくなったと思ったら、木枯らしビュービュー吹きはじめ寒いったらありゃしない。春風が吹いて、ようやく空気が緩んだら花粉の季節。
つまり、アウトドア初心者にとって、ゴールデンウイークから梅雨入りまでの僅かな期間しか、テント張りに挑戦する機会はないのだ。
- 次ページ
- 五月晴れの下、娘・舞子は日焼けで赤顔に