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石原良純の「日々是好転!ときどきカラダ予報」

僕が気楽な“平成JUMP”でいられるワケ

第57回 石原良純 恩師の慰労会のため母校・塾高を訪れる

 石原良純

男子校の同窓会は色気のかけらもありはしない

石原さんが高校時代に汗を流した柔道場。

 塾高の正面玄関前を抜け、校庭の向こう側の柔道場を目指す。慰労会の前に、学生時代に汗を流した道場で、まず記念写真を撮ることになっていたから。

 時計を見れば集合時間ギリギリ。大門軍団以前の僕は、あまり時間に正確ではなかった。今日のめでたい席にも遅刻しようものなら、同期の仲間にまた白眼視されてしまう。僕は40年経った今も、昔と同じく息を切らして道場に駆け込んだ。

 中に入ると紺色ブレザー姿のおっさんがぎっしりと詰まっていた。ネクタイを締めている人もいれば、締めていない人もいる。でも、皆、おっさん。ふと、窓に映った自分の姿も、おっさん。

 これだから男子校の同窓会はつまらない。色気のかけらもありはしない。

 先輩も後輩も、誰が誰やら分かりやしない。当時、大学生でコーチに来てくれていた先輩も区別がつかない。今日の主役、福田先生だって新任教師で合気道部の顧問を引き受けられた。今年退職されるということは65歳。僕と8つしか変わらない。40年の歳月は、髪の毛の色や量に多少の違いはあるものの、皆を等しくおっさんに変えていた。

塾高時代に合気道の大会に出場した石原さん(写真中央左)。

 それでもやっぱり僕が一番若さをキープしているかも。なにしろ僕は、“平成JUMP”なのだから。

 平成が終わる今、昭和に生まれて平成時代に結婚できず令和を迎える人をそう呼ぶのだそうだ。僕の場合は、結婚はしたものの、生活に大きな変化はない。“平成JUMP”に分類されても仕方ない。

 番組収録に行けば10代の若者も、70代のベテランでも区別はない。一緒に笑い、時には本気で戦う。20代、30代、40代、そして50代の今も僕がやっていることはたいして変わらない。

 世の中で僕の歳の57歳といえば、組織のトップの世代だ。官僚ならば事務次官、銀行ならば頭取に就任していてもおかしくない。実際、テレビ局の同年代は局長クラス。役員の肩書きを持つ人だって珍しくない。

やっぱり最前線で走り回っているのが楽しい!

 でも、司令部でデスクワークするよりも、最前線で走り回っている方が気楽で楽しいに決まっている。

 テレビ番組は、まるで“コンバット”。敵のトーチカを奪取すべく出演者の分隊員全員で協力して攻撃する。若手に正面を任せている間に、サンダース軍曹の僕は敵の裏手に回り込みトーチカに手榴弾を投げ込むとするか。

 この話を聞いて、アメリカ製連続戦争ドラマ「コンバット!」の映像を思い浮かべられる人がおっさん。当時のテレビは白黒放送。映像は全体的に暗いのだけれど、夜間のシーンはちっとも暗くならない。囁(ささや)き声のセリフのトーンと効果音で夜を表現するのがハリウッド・ナイトなのだと親父から聞いた覚えがある。

 まあ、僕が気楽な“平成JUMP”でいられるのは、ストレスを溜め込まないうまい塩梅で暮らしているからに違いない。

 そのためにどうすればいいかって……だから言っているでしょ、一日に一度、空を見なさいって。

石原良純(いしはら よしずみ)
俳優・気象予報士
石原良純(いしはら よしずみ) 1962年1月15日生まれ。神奈川県逗子市出身。慶応義塾大学経済学部卒。テレビ、舞台、映画など幅広く活躍。趣味はマラソン。自宅から10キロ先の所属事務所まで走って通うことも。

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