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石原良純の「日々是好転!ときどきカラダ予報」

横浜マラソンで大珍事! 幻の“サブ4”!?

第7回 一週間の禁酒、最高のパフォーマンスで臨んだのに…

 石原良純

 「過酷なレース中の競技者に、マイクを向けるのは可哀想」と、番組に視聴者からのメッセージが寄せられたが、さにあらず。インタビューを受けている時間の僕は、ランナーから番組出演者にシフトチェンジする。銀座界隈、24km地点からの約2kmの間、僕はすっかり走っている自分を忘れていた。

 2011年の「東京マラソン」以降の三年間、大阪、京都、千葉、神戸、つくばと記録が伸び悩んだ。どこに問題があったのか、ただ、ダラダラと走る練習に問題ありと気がついた。

レース中、楽しい時間は、決して多くない

 マラソンの記録は練習量に比例する。タイムを上げたいのならば、その分きっちり走り込まねばならない。「らっきょを食べれば早くなる」と言われれば、僕はいくらでも、らっきょを食べる。だが、そんな一足飛びの解決法は存在しないのだ。

 普段の僕では考えられぬほど、地道にコツコツと街を走る。NHK、7km。日テレ汐留、12km。TBS、10km。テレ朝、8km。フジテレビ、14km。テレビ東京、天王洲スタジオ、8km……。これは家までの距離。夜、番組の収録を終えた僕は、家まで走って帰る。

 羽田空港、18km。新横浜、16km。中央高速、調布インター、15km。時間があれば、ロケ帰りにも走って帰る。

 「なぜ、そうまでして走るのか」というのは、多くの人がランナーに抱く素朴な疑問。その答えは、せっせと走るランナー自身にも分からない。

 スタート前の緊張感。不安を抱えながらスタートラインを切る。5km、体がだんだん温まってくる。10kmを過ぎる頃には、足は軽やか絶好調。このままどこまででも、走って行ける気がしてくる。15km、ふと自分は何の為に走っているのかと、客観的に自分を眺めたりもする。20km、足が痛む予感がしてくる頃。25km何が楽しくてマラソンを走っているのかと後悔したりもする。30km、足に痛みを感じ始めたら、走っているのを忘れるために、楽しい事を考えよう。35km、自分は石だと思う。少しでも前に転がるだけ。40km、あと少し、あと少し。41km、……。やっぱりレース中、楽しい時間は、決して多くない。

ゲロッ、ゲロッ。なんじゃ、こりゃ

 スピード練習を取り入れ、ランニングフォーム改善を意識し、一週間の禁酒で臨んだ2015年「横浜マラソン」。自分的には、最高のパフォーマンスを実現できた。狙い通りのペース配分。最後まで余力を残し、ゴール前にはスパートを決めてのゴール。やったね記録は3時間56分01秒。僕はついに念願の“サブ4”入りを果したのだ。

 ところが、ところが。三週間後の大ニュース。

 「大会当日に公認コース検定を行った結果、フルマラソンは186.2m距離が不足していたため、日本陸連公認コースとはなりませんでした」

 ゲロッ、ゲロッ。なんじゃ、こりゃ。

 でも僕は、“サブ4”を今後も名のり続けるからね。

石原良純(いしはら よしずみ)
俳優・気象予報士
石原良純(いしはら よしずみ)  1962年1月15日生まれ。神奈川県逗子市出身。慶応義塾大学経済学部卒。テレビ、舞台、映画など幅広く活躍。趣味はマラソン。自宅から10キロ先の所属事務所まで走って通うことも。

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