テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 前回記事で披露してくれた、友人からの贈り物の厚底シューズをなかなか履けないでいた良純さん。ようやく履いて試走してみた結果、分かったハイテクシューズのすごさ、手ごわさとは…。
厚底シューズを履いて、走ってみた。それは僕にとって驚愕の体験だった。
前回の記事でお知らせした、友人からいただいたピンク色の厚底シューズ。実は、なかなか街に走って出る踏ん切りがつかないでいたのだ。

厚底シューズは初級者には難しい?
聞くところによると厚底シューズはプロ仕様となっている。筋力や技術が劣る素人ランナーが履いてもその性能を発揮できないどころか、怪我をしかねないという。
実際、去年の夏、ジョギングシューズを買い替えようとショップに出かけた時のこと。僕が店員さんに勧められたのは、一番右側の棚に並ぶ初級者用シューズだった。僕がいくら4時間切りのサブ4ランナーをにおわせても、性能が進化し続ける今のジョギングシューズならば、速く走れるうえに、膝や足首に優しく安全な初級者用で十分とのこと。

シューズはタイムを上げるために軽量化され、ソールがどんどん薄くなっていく。左側の棚には2時間台で走る上級ランナー用。少しソールが薄くなっている。鋭敏なシルエットは見た目からして高速で飛行するジェット戦闘機を彷彿とさせる。
更にその上をいくのが、今までの常識を打ち破った厚底シューズだ。
厚底シューズを手にしてまず驚くのは、その軽さ。靴底の容積からは想像できないほど軽い。次に、シューズ生地の薄さ。グラスファイバー製の生地でできたシューズは、爪先も踵(かかと)もペラペラな紙1枚でできているように見える。
そして、なんといってもバイキング船のような独特な厚い靴底のフォルム。空力抵抗を考えて、爪先も踵も前後とも妙に切り立っている。ボーイング777の機体最後部と同じ形だ。
いざ、シューズを履いてみると確かに底が厚い分、視界が少し高くなって背が伸びた気がしてくる。ピョン、ピョンと軽くその場でジャンプしてみると、トランポリンでも使っているかのように、いつもより高く跳び上がれた。ただ、前後が反り上がったソールはどこか不安定だ。重心を少し動かすだけで上体が前後に傾く。左右方向にもソールが厚い分だけ不安定さを感じる。足首を外側にグネリと曲げてしまいそうな気がして怖い。
なるほど速く走るために特化したランニングシューズは階段や歩道との段差、路地を直角に曲がるなど街中を走るには向かないようだ。
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