テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 今年の東京の桜の開花は、観測史上最速。そんな桜咲く春の三連休、石原さんは気分転換にゴルフに出かけます。プレー後に嗜(たしな)んだのは、父・石原慎太郎さんとの思い出の酒でした。

Spring has come.
春は不可算名詞なので、haveではなく三人称単数のhas。comeの活用はcome,came,comeだから過去分詞はcome。
現在完了形の文章を教わったのは、中1だったか中2だったか。あの頃から、ちゃんと語学に取り組んでいたならば、もう少し有益な人間になっていただろうに。桜の花を眺めると、そんな後悔と共にこのフレーズが頭の中に浮かんでくる。
“春が来た”と口に出せば、文末にオッタマゲーションマークが付かなくても、ウキウキ感が伝わってくる。日本人もアメリカ人もイギリス人も、春の訪れを待ち焦がれる気持ちに違いはない。
3月14日、観測史上最速で東京の桜の開花が発表された。
一週間を通じて20℃に届きそうな季節はずれの暖かさが続いた週末。金曜日には、桜の開花宣言に立ち合おうと100人もの観衆が靖国神社の標本木の周りに集まっていた。
5~6輪の花を気象庁の職員が目視して確認できれば、開花の発表となる。しかし、2輪しか花は確認できず、残念ながらこの日の開花宣言は持ち越しとなった。
翌日の土曜日は季節が逆戻り。朝からみぞれ混じりの冷たい雨が降っていた。まさかそんな寒空の下、花が開こうとは誰も予想していなかった。冷たい雨にぬれながら、ひっそりと花開いたことを僕は夜のテレビニュースで知った。みぞれと桜、やっぱり今年の天候は不順だ。
桜の様子もどこかおかしい。開花発表から満開まで、例年ならば一週間といったところだが、今年は少し余計に時間がかかっているようだ。
夏のうちに翌春に咲く花芽は形成される。いったん休眠に入った花芽は、冬の間に一定期間低温にさらされ休眠から覚めるというのが休眠打破。暖かすぎた冬は花芽に休眠打破を促せず、花芽の成長に悪影響を及ぼしたとも考えられる。
暖かすぎた冬は、僕らに何をもたらすのか。生態系の変化なのか、夏の異常気象なのか。不安を感じているのは僕だけではないはずだ。ここは、次に何が起こるのか注意深く眺めていくよりほかない。
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