テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。前向きに生きれば、日々是好転! 2月末の金曜日の朝、布団で目覚めた石原さんは、原因不明の腰の痛みに襲われました。翌々日の日曜には「世界遺産姫路城マラソン2017」が迫っていました。石原さんはこの難局をどう乗り切ったのでしょうか。そしてマラソンの結果は!?
「あらっ。あらっ。あっ、痛てててて」。
金曜日の朝、自宅の布団で目覚めた僕は驚いた。何なの、この腰の痛み。前日に、ギクリともガクリとも体が激しく痛んだ覚えはない。日曜日にマラソン大会を控えたこの一週間は、ハードな運動を控え、お酒を控え、なにしろ御自愛に務めているのだから。
強いて言えば、昨夜、ゴルフクラブを振り廻したことぐらい。いくらゴルフが腰に悪いとはいえ、あれしきのことでギックリ腰になるとは思えない。
僕は布団の上で、いつもの柔軟体操を試みる。寒い北側の寝室で、僕の腰は冷えてしまったに違いないが、体を少し動かせば、痛みは消えてなくなるはずだ。
まずは、両膝を立て、膝頭を左右に揺らす。ゆっくりと、8カウントで4セット。
次に、膝を立てたまま両足を肩幅に開き、膝頭を内側に倒す、内転筋のストレッチ。これも、ゆっくり8カウントで4セット。
今度は、両足を伸ばした状態から、片方の足の膝を折り畳み、ゆっくり息を吐きながら膝頭をお腹へくっつけるように抱え込む。
最後は、両足を揃えて折って、両腕で抱え込む。大きく息を吐きながらおでこと膝頭がくっつけば、背中がギューっといい加減に伸びてくる。
どうだ、良純流の目覚めの3分間ストレッチ。長年、医療番組に携わり培った技だ。腰の痛みなんて、消し飛んでしまうに決まっている。
初ギックリ腰で学んだ2つのこと
思えば、人生初ギックリ腰は、ちょうど30歳の時のこと。家にあったダンボールを軽いと思って持ち上げたら、思いのほか、重かった。この思い込みと現実のギャップが悲劇を生む。あっと思った瞬間に、体に今まで経験したことのない不気味な痛みが走った。
静止していれば、体はいつもと変わらない。しかし、少しでも体勢を変えようとすると、腰から四肢に向かって激痛が走る。これが噂に聞いていたギックリ腰か。30歳にもなれば気を付けろと言われていたが、まさか我が身に降りかかるとは、思ってもいなかった。
僕は初ギックリ腰で、2つのことを学んだ。先人の教えには、ちゃんと耳を傾けよう。そして、体力、筋力の落ちてきた身体を、今一度、鍛えよう。ジョギングを始めるキッカケにもなった。
