自己ベストの更新はならず!
最初の10キロは市街地を巡り、その後コースは川沿いに北上する。高低差、60メートルのコースも、穏やかな上り下りで苦にならない。好タイムが期待できる高速コースだ。
ところが、15キロを過ぎた辺りで、早くも右足が軽く痛みはじめた。腰は痛くないのだが、知らず知らずに腰をかばい、右足を使いすぎていたようだ。
ここで止めるか、いやいや、『富山マラソン』のようにリタイアの翌年、リベンジに出向くのもめんどうだ。ペースダウンして完走を目指すことにした。
足が痛むほどに、沿道の声援がありがたい。僕も右手を挙げて声援に応える。街はずれの川原の真ん中にも、人、人、人。よく見れば、色とりどりキレイに着飾ったかかしの列だった。姫路では、かかしの応援が名物なのだ。
ラスト5キロは、市街地に戻り、ひたすらお城を目指す。沿道の観衆も増えてくる。大きな声援には、大きく手を振って応える。気を紛らわすことが、足の痛みを忘れる一番の方法だ。
大手門をくぐり抜け、三の丸広場に駆け込んだ。目の前に、真っ白なお城が出迎えてくれる。ゴール。見事に完走。記録は、4時間29分11秒。
なんだか、自己ベストを更新できなかった長い長い言い訳みたいになってしまった。
俳優・気象予報士
