テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! テレビ番組の企画でAGE(終末糖化物質)を測定した石原さん。驚くべきことに、レギュラー5名のなかで体内年齢が一番若いという結果に。その若さの秘訣はどこにあるのでしょうか。

『グリーンブック』は、黒人ドライバーのための旅行ガイドブック。
人種隔離政策時代のアメリカでは、黒人は旅行するにも公共交通機関を利用できなかった。唯一の移動手段が自動車。それでも、ガソリンスタンドで給油を断られるのも、レストランを利用できないのも、ホテルに泊めてもらえないのも当たり前のこと。そこで、黒人が利用可能な施設を網羅し、黒人が安心して旅ができる指南書として書かれたのが『グリーンブック』だ。本の名は、著者のヴィクター・H・グリーンの名に由来する。
映画『グリーンブック』は、そんな時代にニューヨークのナイトクラブの用心棒トニーが、黒人天才ピアニスト・ドクターのコンサートツアーの運転手として人種差別が激しいディープ・サウスを旅する物語。

おじさん二人が旅する物語ということで、なぜか僕と長嶋一茂さんがこの映画のPR隊長を務めることになった。
本年度米アカデミー賞 作品賞に輝いたこの映画は、生まれも育ちも全く違う二人のおじさんの軽妙なやり取り、随所に笑いが散りばめられてはいるが、その実は超社会派の作品だ。
用心棒トニーの実子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手掛ける実話に基づいた物語の舞台は、1962年のアメリカ。1962年は僕の生まれた年だから、決して昔話という訳ではない。
合衆国大統領の前で演奏する天才ピアニストといえども、黒人というだけで白人社会はドクターを決して受け入れない。そしてトニーの家族もまた、イタリア出身であるということだけで白人社会では異端視されている。映画の当時の、そしておそらく現在もアメリカが抱えている問題を観客に問い掛ける。
とはいえ、映画は楽しく。観た後で泣いても笑っても、まずは楽しく観てもらうことからはじまる。何事においても楽しく事に当たるというのが、僕と一茂さんの一致するところだ。そんな意味では、二人がPR隊長を務めるというのは間違っていないのかもしれない。