テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 昨年末からの暖冬は、2月になっても続いている。先週末は、2月とは思えないビックリするほど暖かい“春の嵐”が日本全国を襲った。 そんな嵐の夜、誰かが石原さんの寝室に…。
“どこか地球のネジが狂っている”
2月の第2週の週末は、全国的に春の嵐に見舞われた。
13日の土曜日の午後、名古屋でテレビ番組の収録を終えた僕が表に出ると、鉛色の空からポツリ、ポツリと雨粒が落ち始めた。急いで『のぞみ』で東へ。時速260キロで雨雲を振り切った東京は、綺麗な夕焼け空だった。それでも、電線や街路樹を揺らす湿った南風に、雨の気配が感じられる。3月6日の『鹿児島マラソン』を真近に控えた僕は、貴重な時間を無駄にせぬよう、すぐさまロードワークに家を出た。
前日までの身を凍らす木枯らしとはうって変わった暖かな南風は、体を優しく包んでランナーにやる気を起こさせる。夕闇迫る公園のジョギングコースは3周止まりのはずが、思いのほか足が勢いよく上がって5周も走ってしまった。
公園の景色も僕の体と同様に、少し柔らかく和んで見える。モノトーンだった冬の世界に華やかな色が散りばめられる。コース横の梅木立の枝にも、赤や桃色の花が開く。早くも二分咲きといったところか。『球春』ならぬ『走春』の到来を告げていた。
おいおい、ちょっと待て。いくらなんでも早くないか。まだ、2月も半ば。一年で一番寒くてもおかしくない季節だ。
この冬は、12月11日に最高気温が24.1度に達し、2月14日にまた最高気温23度を記録した。晩夏を思わせる陽気から、初夏を思わせる陽気まで、僅かに2カ月。ということは、もはや日本の四季は、秋、冬、春が2カ月で、残りは全部、夏ということか。“どこか地球のネジが狂っている”と思わずにはいられない。
低気圧が発達しながら日本海を進むにつれ、南風がどんどん強まっていく。夜半の真っ暗な僕の寝室にも、窓の外で揺れる庭木々の音や、電線が風を切る音、何かがぶつかる音が聞こえてくる。
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