テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 今年1月で60歳になった良純さん。テレビ番組のロケで、同じく開業60年を迎えた伊豆急行の社員たちに祝ってもらうなど、幸先のいいスタートを切りました。そんな良純さんが、これから始まる「人生のファイナルクォーター(最後の4分の1)」を楽しむために大切だと思うこととは…。
60歳の誕生日は60周年を迎えたばかりの伊豆急とともに

ご馳走とお祝いのケーキを目の前に、僕が赤いちゃんちゃんこを着て陽気に扇子を振り回しているのは、『ヒルナンデス!』(日本テレビ)のロケでの一コマ。
ローカル線に乗って各駅停車で御当地のグルメや名物を探し回る、番組の名物企画だ。この日は、伊豆半島の東岸を走る伊豆急行線の旅だった。
伊豆急行線の開通は1961年12月だから、つい先日60周年を迎えたばかり。僕も1962年生まれの60歳。放送日(2022年1月11日)を僕の誕生日(1月15日)に合わせて、今回は伊豆急行線の旅になったようだ。ならば、制作サイドの計らいに演者も乗るほかあるまい。甚だ不本意ではあるが、赤いちゃんちゃんこ姿を皆様にさらすこととなった。
なにしろ、伊豆急行さんには大歓迎していただいた。旅の中間地点、伊豆急行の車両基地と本社がある伊豆高原駅では、伊豆急の社長さんをはじめ、100人もの社員さんが「祝!還暦」の横断幕を掲げて僕を迎えてくれたのだ。

本物の鉄道会社の社員さんに、本物の駅のプラットホームでこれだけ大々的に還暦を祝ってもらった鉄道ファンは、僕のほかにいようはずもない。
初めは気恥ずかしかった赤いちゃんちゃんこも、時代劇で水戸黄門様を演じていると思えばいい。黄色と赤、ちゃんちゃんこの色は違っても何を恥ずかしがる必要があろうか。その上、番組のゴールは伊東温泉。高級旅館の露天風呂を一風呂浴びて、豪華な御膳と共に美酒に酔えば、扇子の一つも振り回したくなるというものだ。