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石原良純の「日々是好転!ときどきカラダ予報」

石原良純流 安全で楽しいスキーの秘訣

第41回…今年の正月は驚くことばかり

 石原良純

神保町もスキーグッズも驚くほど変わっていた

 30年の時を経て、今は息子と神保町へ。街の変化にまず驚く。スキーショップも減った。買い物客も減った。なんだか寂しくなってしまった。それでもスキーショップを支えるのは、きっと僕らのような『子供をスキーに連れてくよ』世代なのだろう。

 スキーショップに入って、また驚く。スキーグッズが僕の記憶と全く違う。スキー板が短くなったとか、そんなレベルではない。板も靴もビンディングも昔と今では型が違う。ウェアだって、型も素材も分量も全く違う。どれとどれを重ね着すれば、どれだけ暖かいのか見当がつかない。フェイス・ガードなのかネック・ガードなのか、どれをどこに付けるのかも分からない。

 お目当のヘルメット売り場にも驚いた。国内外ブランドの品がズラリと並んでいる。僕の目には、オートバイ屋にしか映らない。

ヘルメットは安全性が向上するだけでなく、暖かいのもうれしい

 最近は、ヘルメットとゴーグルの一体型が主流になりつつあるとか。イタリア製のヘルメットの内側は本革使用で、作りは全てハンドメイド。付け心地抜群でお値段は8万円だ。

 毛糸の帽子が雪に凍え、隙き間から雪が吹き込んで前がロクに見えないゴーグル。昔と今では、値段も性能も雲泥の差だ。

 息子が店員さんとあれこれヘルメットを選んでいるのを見ていたら、僕もヘルメットが欲しくなってきた。なにしろ、今やスキーヘルメットは、競技者や高速スキーヤーのためだけの必須アイテムではない。子供や高齢者スキーヤーはもちろん、一般スキーヤーも着用すべきとされている。ヨーロッパのスキー場では、今やヘルメットを被っていないとリフトに乗せてもらえないらしい。

 息子がカラフルな色を選ぶのならば、僕はちょっと渋目の色にしてやろう。高性能なヘルメットを被ったら、高性能なゴーグルも欲しくなる。年末に思わぬ出費とも思ったが、30年ぶりのスキーショップに胸がときめいていたのなら惜しくはない。

 ところが、ヘルメットとゴーグルでバッチリ決めたその姿は、自衛隊員? オリーブ・グリーンのヘルメットの色のせいなのか、どう見てもヘリコプターのパイロットのようだ。

安全で楽しいスキーの秘訣とは?

 実際に志賀高原・熊の湯のゲレンデを見廻してみると、ヘルメットを着用しているスキーヤーは3分の1といったところ。日本でもジワジワと着用者が増えているようだ。ヘルメットは安全性を向上させる以上に、暖かいことにも驚いた。吹雪いていても、耳たぶが凍ることもない。吹雪で雪まみれになっても、冷たさを感じない。スキーにヘルメットとは、少し大げさに思えるかもしれないが、僕は皆さんにヘルメットの着用をお勧めする。

昼食後は20~30分ほど仮眠をとる。この仮眠も安全で楽しいスキーのポイントだ

 今回のスキー行も、正月休みとは思えないほど、よく滑った。連日の吹雪の中を、ひるむことなく朝イチからゲレンデに飛び出す。フカフカの新雪は、ターンの度に粉と舞い、またまた上達したと心地良く勘違いさせてくれる。

 安全に沢山滑るのにヘルメットと同じく重要なのは、ちゃんと休憩をとること。長い時間、滑り続けない、板をはずしてレストハウスでコーヒーブレイクを入れる。昼食はしっかり食べて、昼食後はレストハウスのフリースペースで仮眠をとる。

 広間に大の字に寝転べば、体も心もリラックスして不眠症体質の僕でも、フッと眠りに落ちる。午後のひととき、この20~30分の昼寝が安全で楽しいスキーの秘訣。

今回のスキーでは、30年ぶりにナイタースキーに出た。このために夕食の酒は断念
スキーで冷え切った体を温泉で温める。ただし、今年の露天風呂の温度は驚くほど低かった。ピンボケの写真ですみません…

 そして、今回は、これまた30年ぶりにナイタースキーにまで出てしまった。ナイターを滑るということは、夕食に酒を飲まぬということ。結局、そのまま30年ぶりにスキー場で酒を飲まぬ一夜を過ごすことにもなった。

 深々と雪降るナイターゲレンデ。カクテル・ライトに照らされて自由自在にシュプール(*2)を描く。リフトをもう一本滑るかどうか迷ったら、その日のスキーは終わり。早々に宿に帰って、温泉で体を温めるとしよう。

 あれっ、例年にない冷え込みで、露天風呂の温度がいつになく低い。驚くことばかりの正月だ。

*2 シュプールとは、スキーで滑ったときに雪上に残る跡のこと
石原良純(いしはら よしずみ)
俳優・気象予報士
石原良純(いしはら よしずみ) 1962年1月15日生まれ。神奈川県逗子市出身。慶応義塾大学経済学部卒。テレビ、舞台、映画など幅広く活躍。趣味はマラソン。自宅から10キロ先の所属事務所まで走って通うことも。

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