テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 年末年始は、学生時代にお世話になった志賀高原・熊の湯温泉でスキーと温泉を堪能した石原さん。「遊び過ぎたか、飲み過ぎたかな」…と少し反省しつつ、1月15日に二年ぶりの人間ドックを受けました。
季節はずれの大雪は、暖冬だから?
積もった雪は防音壁の役目を果たす。寝床で街のただならぬ静けさに気付いた僕は、もしやと思った。
「ウヮーッ、本当に積もっている」
窓のブラインドを少し開け、未だ明けやらぬ暗闇の街に目を凝らす。僕は、思わず声を上げた。
週末の天気予報は、雪への警戒を呼びかけていた。でも、日本列島の南の海上を進むいわゆる南岸低気圧に伴う、首都圏の雪の予想はとても難しい。
低気圧が岸に近づき過ぎて西から東へと進めば、南から暖かい空気が入って雨になる。低気圧が岸から遠くを進めば、そもそも雪雲が岸にかかることはない。低気圧の中心が八丈島と鳥島の間を通過すると、関東地方がまとまった雪になると解説される。
さらに、上空の寒気の状況や雨の降り方によっても変わってくる。雨になるのか、雪になるのか、それとも大雪になるのか。今の予報技術では、常に答えが出るとは限らない。
雪の目安とされるのが、地上気温2度。2度より高ければ雨になり、低ければ雪となる。月曜日の最低気温の予想が2度だったから悩ましい。予報では傘のマークと雪だるまのマークが順番を争って並んでいた。
そんなやっかいな南岸低気圧の予報も、日進月歩、改善されていくのは間違いない。それよりも問題なのは、この時期になんでウロウロと低気圧が日本の南の海上を進んでくるのか、ということだ。
温帯低気圧は、暖かい空気と冷たい空気の境目に発生する。性質の異なる二つの空気をかき混ぜて均一化させる、いわば天然のファンだと思えばいい。だから、日本列島がしっかりと冬の空気に覆われていれば、そんな巨大な扇風機は日本付近にやって来ない。
寒さが柔らぎ、ようやく春の足音が聞こえる季節になってこそ、南岸低気圧はやって来るべきなのだ。季節はずれの大雪は、暖冬の冬だからこそ。真っ白な雪に覆われた街は好きだが、その一方で“異常気象”、“気候変動”、“地球温暖化”などという言葉が、頭をよぎってしまう。
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- 記録的な雪不足だったけど…
