クイズ番組や健康バラエティ番組の司会を中心に、第一線で活躍するキャスターの草野仁さん。70代を迎えてますます輝きを増す秘密はどこに隠されているのか。いつまでも“苔(コケ)ない男”であり続ける、草野流のスーパーエイジング術を紹介してきた本連載も、これが最終回。そこで、「草野仁流健康寿命を延ばす4つのポイント」をお届けする。草野さんには元気なうちにやり遂げたいことがあり、「それを実現するためにも少しでも長く健康でいたい」と日々の生活から気を付けている。
新しい1年が始まりましたが、みなさん、いかがお過ごしですか。
私は今度の2月で72歳の誕生日を迎えます。今のところまだまだ元気そのものですが、こんな歳ですから、いつ死がやってくるかもしれません。正月早々縁起でもないと言われるかもしれませんが、死はいつか必ず訪れるもの。普段から死を意識して人生には限りがあると考えるからこそ、生きることの大切さが理解でき、毎日を精一杯生きようという気持ちになれると私は思うのです。
昨年も多くの方の訃報を耳にしましたが、俳優のAさんが60代で急死されたというニュースには衝撃を受けました。
9年前にAさんに下された診断
私はとくに親しくお付き合いしたわけではありませんが、番組で共演したことがあります。10年ほど前だったでしょうか、私が司会をしていた『ザ・ワイド』という番組に芸能人に人間ドックを受けてもらうコーナーがあり、そこにAさんがゲストとして出演してくださいました。
はたして、その結果はというと、血圧は最高が190台で最低が110台でしたから、かなりの高血圧でした。
ところが、Aさんはまったく意に介さないという様子で、人なつこい笑顔で「こんなのよくあることだよ。どうってことないよ」とおっしゃったのです。
私はそれを聞いて、正直なところ「これはちょっとまずいな」と感じたことを覚えています。
番組で診察された時点でなんらかの治療をしていれば、もっと長生きされたのではないかと悔やまれてなりません。
いずれにしても、高齢になればいつ死がやってくるかわかりません。そのときになって、あれをしておけばよかった、ああすればよかったと後悔しないためにも、やりたいことは元気なうちにやっておくことは必要です。
私にも元気なうちにやっておきたいことがあります。それは…。
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