クイズ番組や健康バラエティー番組の司会を中心に、第一線で活躍するキャスターの草野仁さん。70代を迎えてますます輝きを増す秘密はどこに隠されているのか。いつまでも“苔(コケ)ない男”であり続ける、草野流のスーパーエイジング術。今回のテーマは「ストレス解消法」だ。健康な体の維持には、精神の安定が欠かせない。ということで、いつも穏やかな草野さんに、感情コントロール法やストレス解消術について聞いたところ、「仕事を家に持ち込もう」という意外な答えが返ってきた。さて、その真意は?
若いころは「瞬間湯沸かし器」でした
どうやら、私は落ち着いて穏やかな性格の人間に見られるようです。「草野さんは怒ることはあるんですか?」という質問を受けることもあります。
いやいや、私だって人間ですから、ムッとしたり腹が立ったりすることはあります。ただ、年を経るにしたがって、そうした感情をコントロールできるようになったことは確かです。
私の両親はしつけが厳しい人でしたが、私自身は4人兄弟の末っ子ということもあり、かなりわがままに育ってきました。もともと、すぐに感情が表に出る性格で、若いころは、ちょっとしたことですぐに怒りが爆発する「瞬間湯沸かし器」だったのです。
とはいえ、職業人になったら、そうも言っていられません。とくに私のようなアナウンサーは、出演者や裏方さんたちをうまく立てて、切り盛りしていくのが大切な仕事です。
もちろん、今でもたまにムッと感じることはありますが、それをストレートに顔に出すわけにはいきません。いったん心で受け止めてから、うまい反応をして乗り切らなくてはならないのです。
私の場合、仕事柄そういう対処を必要とされるために、感情をコントロールする技が自然と身についたのだと思います。
気持ちが高ぶったときはブラームス
もっとも、我慢するだけではストレスはたまる一方です。たまりにたまったストレスが原因で精神的、肉体的に具合を悪くしたり、ある日突然、感情が爆発したりという恐れもあります。
そこで、私がどうやってストレスを解消しているのか、その方法をいくつかご紹介しましょう。

一つは、クラシック音楽を聴くこと。ゆったりとした交響曲を聴いていれば、1時間もかからずに心がほぐれます。高ぶった気持ちを鎮めて冷静さを取り戻すには、いい方法だと思います。
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- 1人カラオケでもストレス発散