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草野仁の「苔(コケ)ない男」

毎日1時間の運動で「健康寿命」を延ばす!

「最後まで元気でやってたよね」と言われたい

 草野 仁

自律神経失調症の診断をきっかけに意識改革

 最後に、つてを頼って当時の九州大学で助教授でもある先生に診てもらったところ、こんなことを言ってくれました。

 「草野さん、機能的には問題はありません。でも、実際に胸が苦しいのですから、どこかに不調があるのは間違いありません」

 そう言って、「自律神経失調症」という診断を下しました。

「毎日5分でも、時間を見つけたら体を動かしています。生活習慣の一つにしてしまえば、体を動かさない日のほうが、なんだか調子が悪くなりますね」

 「4、5日ゆっくり休みなさい。そして、くよくよしないことが大切ですよ」

 まさに、「病は気から」という言葉そのままの体験でした。このときから私は、細かいことまでいちいち気に病むのは止めたのです。

 このときの経験が、健康に対する私の考え方を大きく変えました。それまでは、「腹が前にせり出さなければ大丈夫」という程度の認識だったのですが、以後は積極的に健康を維持することを心がけるようになりました。

 ダンベルとエルゴメーター(自転車型トレーニングマシン)を始めたのも、このときからです。もっとも、ダンベルはいきなり15~20kgなどという重いものを使ったものだから、すぐに腕や肩を痛めたというオチがつきました。何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。

 一番いいと思ったのは歩くことです。歩くことで肉体的にも精神的にもリフレッシュすることを実感しました。当時は、ウォーキングなどというしゃれた呼び方はありませんでしたが、大阪時代などは通勤電車に乗らずに長い距離を歩いて通っていたものです。

健康番組の司会で食事と運動の大切さを再認識

 さらに健康に注意をするようになったのは、2006年に始まったテレビ東京系列の『主治医が見つかる診療所』で司会を任されてからです。

 番組で、たくさんの医師や専門家の話を聞くうちに、健康に対する考えが根本から変わりました。それまでは「検査に引っかからなければ健康に問題はない」と考えていたのですが、そうではないことに気づかされました。特に、生活習慣病の恐ろしさを知るにつけ、食事に気を遣うようになると同時に、適度な運動の大切さを再認識したのです。

 食事に気を遣うといっても、極端な食事法をしているわけではありません。あえて心がけていることといえば、「食事を1週間のトータルで考える」ということ。例えば、焼き肉をたらふく食べたら、翌日は食事を控えめにするといったように、1週間を通じたバランスに注意しています。また、以前はロケ弁のご飯を残らず食べていたのですが、最近ではこれを半分残すことで、半年で体重を6、7kg減らすことができました。油もとりすぎないように注意しています。

毎日の習慣にしている60分の運動メニュー
エルゴメーター        40分
ダンベル5㎏を使った筋トレ10分
草野流8種体操       5分
真向法体操(第一体操)     5分

 もちろん、筋トレは続けています。これはもう私の趣味の一つのようなもので、ダンベル、エルゴメーター、そして股関節を鍛えるストレッチを、合わせて毎日1時間強続けています。加えて、仕事の合間に時間があれば、なるべく歩くようにしています。

 私もあと何年生きられるかわかりませんが、なるべく周囲の人に苦労をかけずに、少しでも長く現役で過ごしたいと思っています。そのために、生活習慣に注意して、ただ長く生きるだけでなく、自立した生活ができる期間である”健康寿命”を延ばすように努力しています。そして、死ぬときは、できればピンピンコロリが理想。

 「草野さんは最後まで元気でやっていたよね」とみんなに言われるようにしたいものです。

(まとめ:二村高史=ライター)

草野 仁(くさの ひとし)
キャスター
草野 仁(くさの ひとし) 1944年2月生まれ。1967年東京大学文学部社会学科卒業後、 NHK入社。鹿児島放送局、福岡局、大阪局を経て、東京アナウンス室へ。主にスポーツ・キャスターとして、五輪中継をはじめ、国内外のスポーツ実況中継を担当。また、「ニュースセンター9時」「ニュースワイド」のキャスターも務めた。1985年に独立しフリーに。以降、テレビやCMなどで活躍中。趣味・スポーツは、「映画鑑賞」「ゴルフ」「カラオケ」「競馬」「剣道(二段)」と多才。

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