水たまりの水を飲んでいたワッキーさん
ところで、一昔前までは、スポーツ医学の知識が不十分でしたから、野球やサッカーの指導者から「運動中に水を飲んではいけない」とよく言われたものでした。
それについて、お笑いコンビのペナルティーの一人、ワッキーさんからおもしろい話を聞いたことがあります。彼は、サッカーの名門校である市立船橋高校でフォワードをやっていたことで知られていますが、彼もまた監督から「水を飲むな」と言われて苦労したと話してくれました。
それでも、どうしても水が飲みたくなったときはどうしたかというと、監督に見つからないように、グラウンドそばの水たまりの水を飲んでいたのだそうです。水たまりのあたりにボールを蹴り出して、そのボールを取りに行くふりをして飲んでいたとか。腹を壊すほうが心配になってきますが、それよりも喉の乾きのほうが切実だったのでしょう。
「ビールで水分補給」は危険な誤解
水分をとれと言われると、「オレはビールで水分補給している!」という人がいますが、これは危険だそうです。アルコールは利尿作用もあるため、水分が不足しがちになるからです。多少なりとも健康に気をつけている方には常識なのですが、中高年の男性にはまだまだこういう方が少なくありません。

また、緑茶やコーヒーもあまり水分補給にはならないのだそう。含まれているカフェインに利尿作用があるため、どんどんと水分が排出されてしまうからです。その点、カフェインの入っていない麦茶ならばOKと言われています。麦茶はミネラル分も含まれているので、熱中症対策に適した飲み物といってよいでしょう。昔の人は、経験的に知っていたのですね。
もちろん、水分だけでなく塩分の補給も大切です。私が改めて言うまでもありませんが、水を飲むとともに塩を軽くひとつまみ分なめたり、梅干しをとるのがいいと言われています。スポーツドリンクもいいそうです。ただ、スポーツドリンクは糖分も多く含まれていますので、こればかり大量に飲むのもまた注意する必要があるようです。
まだまだ暑い日が続きます。私も気を付けますが、みなさんもどうかお気を付け下さい。
(まとめ:二村高史=ライター)
