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草野仁の「苔(コケ)ない男」

根強く残る「草野仁カツラ説」の真偽

第10回  目、歯、頭髪に関する衝撃(?)の事実をお話しします

 草野 仁

 白内障の手術は、現在では日帰りもできるようになり、とても簡単に受けられるようになりました。でも、視覚という重要な感覚を司る器官ですから、万に一つも間違いがあっては困ります。しかも、私の目の瞳孔は一般の人よりも小さいようで、同じ白内障の手術を受けるとしても決して簡単ではないということはある医師から聞いていました。そこで、その先生にお願いしたわけです。

 手術は無事に終わりましたが、手術後に先生から驚くべきことを聞かされたのです。

 「40年前に両目の眼圧を下げる手術をしたとおっしゃっていましたが、右目は手術した跡がありませんでしたよ」

 「えっ?」

 しばらくしてようやく事情が飲み込めました。40年前に手術をした先生は、左目を手術しただけで終えてしまったのです。

 これにはビックリ。当時の執刀医は、今も忘れない、某大学付属病院の助教授でした。そんな大病院でも、40年前にはこういうことがあったんですね。

「ずいぶん暗い世界に生きているんだねえ」

 私は、この一連の出来事で、大きな教訓を得ました。それは、「何でもそうですが、とりわけ目は、優れた先生に診てもらうべき」ということです。

 白内障の手術をしてくれた先生は、こうおっしゃっていました。

 「眼科手術は、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を大きく左右するきわめて大切な手術です。ですから、アメリカでは医学部の上位の学生でないと学べません」

 内科、外科が中心にある日本の医学部とは眼科の位置づけがずいぶん違うようです。先生によれば、高齢社会となって目に疾患を持つ人が増えた今、高齢者のQOLに直結する眼科の重要性は、もっと見直されてもいいのではないか、とのことでした。

 こうして、白内障の手術を受けたことで、驚くほど世の中が明るくはっきり見えるようになりました。診療時に、「ずいぶん暗い世界に生きているんだねえ」とおっしゃった先生の言葉を、しみじみと実感したものです。徐々に目が衰えていったことで、明暗の変化に気づかなかったのでしょう。

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