つまり、競馬をより楽しむには、“必須科目”である歴史と数学の予習・復習が、絶対に欠かせません。認知症予防に効果があると思うのは、こうした理由からです。
競馬場は、絶好のウォーキングコース
このように、競馬を楽しむことの精神的なメリットは、いつまでも好奇心と欲得をもっていられること。いうまでもなく、人間として、この2つを失ったら老化のはじまりです。
一方、肉体的なメリットもあります。競馬をしているととても「歩く」のです。1日12レース、馬の様子を見定めてスタンドとパドックを行き来することで、結構な運動になります。また発売の締切直前には、窓口まで走ることもしばしばあります。
実際に歩数計をつけて調べてみたところ、1日で5000歩以上も歩いているのです。競馬場の行き帰りも含めれば、優に1万歩に及ぶ立派なウォーキングになります。メタボリックシンドロームの予防にもいいのではないでしょうか。
勝っても負けても楽しめる
もちろん、競馬で一番うれしいのは、買った馬券が的中したときです。とくに気持ちがいいのは、評判がさして高くない馬をパドックで見て、調子がよさそうだと判断して買った大穴馬券が当たったときです。
そんなときは、「神が与えた難問を自分だけが解いた!」という晴々とした気分になります。まさに競馬の醍醐味です。本当は、毎週、毎週そうした気持ちになれれば、いうことなしなのですが(笑)。
そもそも、勝負は時の運でもあります。競馬は思い通りにならないからこそ、なんだか人の人生みたいでおもしろいのです。「ツキがある」ときには公私ともどもはりきって過ごすことができますし、何だか「運に見放されている」と感じているときには、何事にも用心しておく「戒め」にもなります。
また、今は見て楽しむだけではなく、かつて憧れでもあった馬主にもなりました。競馬から学んだことは数知れず。こんな素敵な趣味を、やめられるわけがありません。私は一生、競馬を続けていきます。
いつのか、ダービー馬の馬主になれる日をちょっぴり夢みて…。
(まとめ:二村高史=ライター)
キャスター
