クイズ番組や健康バラエティー番組の司会を中心に、今も第一線で活躍するキャスターの草野仁さん。70歳を迎えてますます輝きを増す秘密はどこに隠されているのだろうか。いつまでも“苔(コケ)ない男”であり続ける、草野流のスーパーエイジング術。今回は、草野さんが心がけている食習慣についてご紹介します。
最低30回数えて「食べ過ぎ」を防ぐ
前回(内臓脂肪を減らして「スーパーひとしくん」に!)は、今年の新しい運動習慣について述べましたが、食生活についてもちょっとした目標を2つ立てています。そのキーワードは「咀嚼(そしゃく)」と「腸内細菌」です。
まずは、咀嚼について。よく噛んで食べることを改めて習慣にしたいと思っています。実は以前、意識的に50回噛んで食べていた時期があります。そのときは少し体重がオーバー気味たったこともありますが、よく噛むことを意識して食べるだけで、半年間に6、7kg体重を減らすことができました。
日々、仕事に追われていると、どうしても早食いになって、よく噛まずに食べてしまいがちです。今年はゆっくり時間をかけて、最低30回は噛むように心がけています。
人間の体というのは、胃が満腹になったとしても、脳が満腹だと感じるまでには20分ぐらいの時間差があるそうです。早食いになると、脳の「満腹中枢」から信号が出る前に、どんどん食事を口にしてしまうため、食べ過ぎになる。無意識に早食いになっている「食べ癖」を見直して、カロリーオーバーを防ぐことが目的です。
善玉菌を増やす食生活を意識する
もう1つの目標は、「腸内細菌」を意識した食生活を心がけることです。
すでにご存じの読者も多いかと思いますが、腸内細菌は小腸や大腸に住み着いている細菌のことで、昨年はテレビや雑誌で大いに話題になりました。ビフィズス菌や乳酸菌といった腸内環境を整える「善玉菌」をはじめ、ウェルシュ菌やブドウ球菌のような有害物質を作る「悪玉菌」があります。最近の研究によって、善玉菌の多さが健康長寿に深く関わっていることがわかってきたのです。
私が司会をしている健康番組に出演してくださっている生物学者の辨野義己(べんの よしみ)先生は、長寿の秘密を探るために、奄美大島の百歳長寿が多い地域で調査を行いました。そこで80~90代の高齢者の大便を調べたところ、驚くことに善玉菌が一般成人の平均値の100~1000倍も検出されたのです。
その大きな理由は、どうやら発酵食品にあることがわかりました。調査に協力してくれた高齢者たちは、奄美諸島や沖縄で作られる米の発酵飲料「ミキ」をよく飲んでいました。さらに、まだ熟していない青いバパイヤを漬け物にして食べる習慣もありました。いずれも乳酸菌がたっぷり含まれている発酵食品だったのです。
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