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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

コーラ、黒ビール、ソースにも? カラメル色素の発がん性とは

米国では使用量の制限やがん警告の表示義務付け

 大西睦子

実は高い! 商業用カラメルの4-MEI濃度

 JECFAとEFSAによる基準では、カラメルIIIとカラメルIVに含まれる4-MEI濃度の最大レベルは250mg/kg以下に制限されるべきとされています。

 ある調査では、商業用カラメルIII色素(着色料)のうち40製品の4-MEI濃度は5~184mg/kgで、JECFAのガイドラインを満たしていました。ところが他の研究ではより高い濃度も報告され、最高値は463mg/kgでした。また報告によれば商業用カラメルIV色素からは、概してより高い濃度の4-MEIが検出されており、90製品の4-MEI濃度が112~1276mg/kgの範囲で示されました。

カリフォルニア州では1缶当たりの0.029mg超えで“がん警告表示”義務

 食事から摂取したカラメル色素が体外に排泄されるまでの期間、その人の体はカラメル色素にさらされている状態となります(「暴露」と言います)。ヨーロッパ11カ国での分析データによると、1~10歳の子どもが食事からカラメル色素を摂取した場合に推定される暴露の中央値は、カラメルIVが1日あたり4.3~41mg/kg、カラメルIIIは32~105mg/kgでした。

 また日常的に摂取する可能性のある加工食品や飲料の4-MEI濃度を測定したところ、黒ビールが1.58~28.03mg/kg、コーヒーが0.3~1.45 mg/kg、炭酸飲料が0.30~0.36mg/Lでした。別の調査では、最大レベルがウスターソース(最大3.4mg/kg)および醤油で調理した食品(最大3.2mg/kg)という結果が報告されています。

 米国では、コーラなどカラメル色素を使用した清涼飲料水が多く売られています。カリフォルニア州では清涼飲料水の4-MEIのレベルを1缶もしくは1ボトル当たり29μg(=0.029mg)までとし、それ以上の場合は、がん警告の表示を法律で義務付けました。それ以上の4-MEIを含んでいると、10万人に1人ががんを発症する可能性があるからです。

 ところが、2014年に米国の消費者団体である公益科学センターが、売れ筋の清涼飲料水の4-MEIレベルを調査したところ、カリフォルニア州とニューヨークで購入した「Pepsi One」と「Malta Goya」という商品の4-MEIのレベルが29μgを超えていました。

■参考文献
Consumer Reports「Caramel color: The health risk that may be in your soda

 そこで、公益科学センターの結果を踏まえ、ジョンズ・ホプキンス大学の研究者らが、公益科学センターと連携して調査を行ったのです。

 研究者らは、カリフォルニア州やニューヨーク都市圏(コネチカット、ニュージャージー、ニューヨーク)の小売店から、110の清涼飲料水を購入し、4-MEI濃度を分析。さらに国民健康栄養調査から、米国人の清涼飲料水の消費量を調査し、4-MEIの暴露量を推定してがんのリスクを報告しました。

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