日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > コーラ、黒ビール、ソースにも? カラメル色素の発がん性とは  > 5ページ
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

コーラ、黒ビール、ソースにも? カラメル色素の発がん性とは

米国では使用量の制限やがん警告の表示義務付け

 大西睦子

炭酸飲料の一日平均消費量:16歳~20歳で多い

 この研究によれば、6歳から64歳までの米国人の半分以上が、毎日少なくとも1缶は、炭酸飲料を消費していました。特に若者および若年成人は、幼児や高齢者に比べて、多く(16歳から20歳:550~1070ml、45歳から64歳:457~864ml)を消費しています。

4-MEIの含有濃度:ブランドと購入した地域で違う

 調査の結果、1缶当たりの4-MEIのレベルは9.5~963μg/L。ところがこれが、買った場所とブランドで大きな差があることが分かりました。

 最も4-MEIの濃度が高かったのがMalta Goyaという商品で、平均945.5μg/L(最高1104μg/L)、最も低かったのは「Diet Coke」で平均9.8μg/L(最高10.4μg/L)でした。

 またカルフォルニア州ではニューヨーク州に比べ、4-MEIの濃度がはるかに低い商品が多くなりました。例えば同じPepsi Oneでも、ニューヨークで流通する商品の4-MEI濃度は501.5μg/L、カルフォルニアの場合119.7μg/Lだったのです。

米国では4-MEIが原因で今後70年で76人から5000人ががんを発症する?

 研究者らは、米国人の平均的な清涼飲料水の消費量から、米国では今後70年間に、4-MEIへの暴露のみで、76人から5000人ががんを発症するのではないかという結論を示しています。

 キーヴ・ナックマン教授は、学内ニュースの中で、「清涼飲料水の消費者は、単に見た目を良くする目的で入れられた飲料の添加物を避けることができず、不要ながんのリスクにさらされているわけです。この不必要な暴露は公衆衛生を脅かすものです」と、清涼飲料水へのカラメル色素の継続的な使用に疑問を投げかけています。

■参考文献
Johns Hopkins University.「Popular Soda Ingredient Poses Cancer Risk to Consumers

日本でも使用量の制限、種類の表示が必要

 すでにカルフォルニア州は、4-MEIの規制と、法律によるがん警告の表示義務付けにより、公衆衛生の向上のための重要な一歩を踏み出しています。この動きは今後、米国全体に広がり、カルフォルニア州以外の州や、さらに連邦政府による規制が始まる可能性もあります。

 既出の通り、米国では安全な自然色でも、発がん性が懸念される人工着色料でも、飲食物に使用されるカラメル色の食品添加物はすべて同じように「カラメル色」と記載しています。実際は色素の種類だけでもI~IVがあるわけですから、その種類(クラス)の記載を求める声もすでに挙がっています。

 そしてこの問題は米国だけでなく、日本でも同様に起きてくるでしょう。カラメル色素は、清涼飲料水だけではなく、ビールやベーカリー製品、しょう油、スープ類、酢などさまざまな調味料などに幅広く使用されています。今後は使用量の制限、含まれているカラメル色素のクラス表示が必要だと思います。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2015年2月27日付け記事からの転載です。

先頭へ

前へ

5/5 page

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 睡眠不足は肥満や生活習慣病のリスクを高める

    近年、睡眠不足が積み重なる「睡眠負債」の怖さが取り上げられるようになり、睡眠の大切さがクローズアップされている。実際、睡眠不足や質の低下が、疲れや集中力の低下につながることを実感したことがある人も多いだろう。しかし、問題はそれだけではない。睡眠不足や質が低下すると“太りやすくなる”。さらに、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病のリスクも高まることも分かっている。そこで本特集では、睡眠と生活習慣病の関係から、実践的な睡眠改善法までを一挙に紹介する。

  • 女性の「尿漏れ」「頻尿」には骨盤底筋トレーニングが効く!

    トイレに行く回数が多い、くしゃみをすると少し漏らしてしまう、突然尿意に襲われて我慢できない…。女性の尿の悩みは、「頻尿」や「尿漏れ(尿失禁)」が多いのが特徴だ。これらを改善するにはどうすればいいのだろうか?

  • 男性も無関係ではない骨粗鬆症、飲酒・喫煙・高血糖はリスク

    骨がスカスカになってもろくなり、骨折の危険性が増すのが「骨粗鬆症」だ。急速な高齢化に伴って患者数が増えており、日本骨粗鬆症学会などによると、日本における患者数は現在1300万人と推定されている。骨粗鬆症というと女性のイメージがあるが、男性の患者数は300万人と見られている。本特集では、骨粗鬆症が起きる仕組みから、気をつけたい生活習慣、そして骨を強くするための対策までを一挙に紹介する。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2019 Nikkei Inc. All rights reserved.