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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

コーラ、黒ビール、ソースにも? カラメル色素の発がん性とは

米国では使用量の制限やがん警告の表示義務付け

 大西睦子

しょう油やソースなどにも使用されてきたカラメル色素

 カラメル色素と呼ばれているものには、「カラメルI」「カラメルII」「カラメルIII」「カラメルIV」の4種類があります。

 ブドウ糖や砂糖などの糖類やデンプンの加水分解物、糖蜜などを加熱処理して得られるもので、製法の違いで4種類に分けられ、色はいずれも同じような褐色です。色素というだけに、その色が添加物として、例えばお菓子や清涼飲料水などに利用されています。また着色の他に風味付けの効果もあるので、昔からしょう油やソースなどにも使われてきました。

 カラメル色素のうち、発がん性が問題になっているのは2種類です。もっと言えば、両者に共通している色素成分「4-メチルイミダゾ-ル(4-methylimidazole:4-MEI)」が発がん性の噂の張本人です。4-MEIは主に、コーラなどをカラメル色(こげ茶色)にするために使用されています。

自然色でも合成着色料でも「着色料(カラメル)」「カラメル色素」と表示される

 IARCの資料によれば、食品への使用が許可されている色素添加物の約95%をカラメル色素が占めています(重量換算)。

 FAO/WHO食品添加物専門家会議(JECFA)と、欧州食品安全機関(EFSA)による、食品添加物としてのカラメル色素I、II、III、IVの分類によれば、カラメルIは昔ながらの方法で糖類を加熱して作られるものを指します。これに対しカラメルII~IVは工場で、砂糖だけでなくアンモニアや亜硫酸塩等を加え、高圧・高温下で化学反応を起こさせて製造したものです。

 さらに細かく見ていくと、カラメルIIは、糖類と亜硫酸化合物を加熱して作られますが、アンモニウム化合物は使用しません。カラメルIIIは、糖類とアンモニウム化合物を加熱して作られ、亜硫酸化合物は使いません。カラメルIVは、糖類に亜硫酸とアンモニウム化合物の両方を加え、加熱して作ります。

 つまり一口にカラメル色素と言っても、このような違いがあるのです。しかしながら米国ではカラメルIのような自然色であっても、カラメルII~IVのような合成着色料であっても、「着色料(カラメル)」または「カラメル色素」と記載され、表示上の違いはありません。これは日本でも同じです。

 区別しなくても問題がなければいいのですが、そうもいきません。砂糖とアンモニアの化学反応によって、4-MEIが生成されることが報告されているからです。

清涼飲料などに使われるカラメルIVの生産量はカラメル色素の約70%

 糖類とアンモニアを高濃度、高温、かつ水分が多い状態で長時間反応させると、4-MEIの量が増加します。先述の通り、カラメルIIIとカラメルIVは製造過程で糖類にアンモニアを加えています。

 ではカラメルIIIが何に使われているかというと、一般的にはパンなどのベーカリー製品、ソース類、スープ類、酢やビールなどで、米国ではカラメル色素総使用量のうち20~25%を、欧州では約60%を占めています。

 カラメルIVは清涼飲料やペットフード、スープなどに使われていて、世界中で生産されるカラメル色素の約70%を占めているのです。

 では、カラメルIIIとIVに含まれる4-MEIは、本当に発がん性があるのでしょうか?

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