やっぱり危ない!? 粉末状カフェインの使用
米国で2014年に死亡事故が発生
大西睦子
粉末状カフェインはサプリメント
現在、粉末状カフェインは、米国ではサプリメントとして、オンラインショップや店舗で販売されており、購入に際し年齢を問われたりもしていません。FDAは、食品や医療品に含まれるカフェインについては、規制を設け安全性を管理していますが、サプリメントである粉末状カフェインは、FDAの承認がなくても販売できます。つまり粉末カフェインは、FDAが規制するインスタントコーヒーより、販売経路に制約がないといえます。
そもそも米国においてサプリメントは薬とも食品とも位置付けられていませんが、どちらかと言えば食品寄りで、販売前にFDAの承認を必要としません。つまり科学的根拠に基づく安全性や有効性をFDAに証明しなくても販売できます。しかも、含まれる成分が副作用を引き起こすことが知られていても、製造業者は副作用について消費者に通知しなくても罪に問われたりしません。
FDAの承認が必要なくても大丈夫?
とはいえサプリメントのラベル表示の内容が正確かつ真実であること、安全であることを保障するのは、製造業者や販売代理店の責任です。「この製品は栄養不足を助け、健康をサポートします」または「健康上の問題のリスクを低減します」という文言も、効果が本当であれば表示できます。
ただし同時に「この製品はFDAの評価を受けていません。またこの製品は疾病の診断、治療、治癒、予防を目的としたものではありません」とも表示しなくてはなりません。また「特定の疾患または状態の治療、予防または治癒」などの表示は、未承認薬に関しては違法な表示と判断されます。
もちろん実際に問題が起こり、安全ではないとFDAが判断すれば、FDAは業者に警告するか、市場から製品を排除することもできます。
過去にはダイエット・筋肉増強サプリメントが販売禁止に
例えば2004年にFDAは、Asia MedLabs社の「VITERA-XT」というダイエット・筋肉増強用サプリメントの販売を禁止しました。調査により、ラベルに表示されていた「伝統的なアジアのハーブ製剤」の一つとして天然植物由来で漢方薬(麻黄など)の主成分であるエフェドリンが含まれていると判明。覚醒や代謝促進の効果がある反面、血圧が上がって循環器に負担がかかり、高血圧や脳卒中、心筋梗塞を引き起こし、死に至る危険性があると認めたのです。
実際、エフェドリンに関連してすでに155人が死亡、健康被害の訴え(副作用報告)も1万6000件以上に上るなど、社会問題となっていたため、販売禁止の措置が取られたのです。
U.S. Food and Drug Administration「FDA Acts to Remove Ephedra-Containing Dietary Supplements From Market」
LAWYERS.COM「Ephedra Lawsuits」
