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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

“やる気”が起きない理由はドーパミン不足? オレキシン不足?

“快楽”や“報酬”だけを求めると、依存症や中毒の原因にも

 大西睦子

 食、医療など“健康”にまつわる情報は日々更新され、あふれています。この連載では、現在米国ボストン在住の大西睦子氏が、ハーバード大学における食事や遺伝子と病気に関する基礎研究の経験、論文や米国での状況などを交えながら、健康や医療に関するさまざまな疑問や話題を、グローバルな視点で解説していきます。
 自分にできる範囲のはずの目標を掲げ、しっかり計画を立てても、なかなか進まない仕事、ダイエット、勉強…。その理由は“やる気”が起きない、モチベーションが上がらないからということもあるでしょう。ではそのモチベーションを上げるにはどうしたらいいのか、各方面の論文で解説していきます。

評価されたいから動くのか、やってみたいから動くのか

モチベーションを上げるにはどうすればいい?(©Shojiro Ishihara/123RF.com)

 「仕事がうまくいかない」「ダイエットが成功しない」「勉強したくない」などの悩みをお持ちの方はいらっしゃいませんか? その理由の1つに、モチベーションが上がらないという問題があると思います。

 私たちのモチベーションを左右するものは何でしょう? 心理学者によれば、モチベーションについて考えるにはいくつかの方法がありますが、なかでも注目されているものの1つが、以前から指摘されている「内因性のモチベーション」と「外因性のモチベーション」の違いです。

 外因性のモチベーションとは、お金、名声、成績や賞賛のような、外からの報酬を得て、罰則を避けることによって動くもののことで、次のような例が挙げられます。

1. よい成績をとりたいから勉強する。
2. 賞金を獲得するために、競技に参加する。
3. ボーナスをもらうために、仕事をする。
4. 見た目がよくなるように、ダイエットをする。
5. 奨学金を得るために、研究をする。

 実によくある話ですよね。「ほめられたい」「目に見える形で報酬を得たい」といった、外からの高い評価を受けようとするモチベーションです。私たちの社会で、教育やビジネスなどによく使われる方法です。

 一方、内因性のモチベーションは、外からの報酬のためではなく、やりがいがあるから活動することです。こちらは以下のような例が挙げられます。

1. 興味があるから勉強する。
2. 楽しいから競技に参加する。
3. 新しい開発に向けて、仕事に励む。
4. 好きだからジョギングをする。
5. 自分の知識と理解を向上させたいから研究をする。

 何かの“ため”ではなく、その行為をしたい“から”動く。内因性のモチベーションは、外部から得られる報酬の“ため”ではなく、私たち自身の内部“から”の欲求に基づいているのです。

 では、内因性のモチベーションと外因性のモチベーションのどちらが優れているのでしょうか?

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