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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

「砂糖税」は日本でも導入が検討!? 本当に肥満対策になる?

メキシコや米バークレー市で始まった砂糖税の効果

 大西睦子

米国ではどうなっているの?

 では米国の状況はどうでしょうか?

 肥満率で見れば、米国はメキシコに類似しています。米国立衛生研究所によれば成人の68.8%が太りすぎ、35.7%は肥満であり、また先ほどのメキシコの報告書によると、米国人の1人当たりのソーダなどの糖入り飲料の摂取量は、年間平均96リットルだと言います。つまり、メキシコと同じような問題を抱えているわけです。

■参考文献
The National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases「Overweight and Obesity Statistics

 マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)氏がニューヨーク市長だった2013年に、ニューヨーク市において大型ソーダの販売禁止を試みたことがありました。しかしこれは失敗に終わっています。米国では他にもさまざまな州や市がソーダ税の導入実現に向けて動いてはいますが、現時点ではカリフォルニア州のバークレー市しか、導入が可決されていません。

 そのバークレー市では2015年に入り、ソーダ税が導入されました。同市のソーダ税も、メキシコのソーダ税と似ています。どちらも販売店が税金を支払い、どちらもソーダの量あたりの税が課されます。メキシコは1リットルに対して、1ペソの課税ですが、同市では糖入り飲料 1オンスあたり1セント、例えば20オンス(約600ml)あたり20セント(約21円)を支払うことになります。またどちらのソーダ税も、乳製品やレストランでの糖入り飲料は課税の対象になりません。両者の違いは、メキシコと米国の政治制度の違いになります。メキシコは、より国家レベルで法制化が進められるのに対して、米国は市や州などの地方レベルで制定される点です。

バークレー市のソーダ税の評判は?

 コーネル大学のテッド・ボッシャ(Ted Boscia)氏は、コーネル大学とアイオワ大学の調査をもとに、バークレー市のソーダ税は機能していないと批判しています。その大きな理由は、
 [1]住民は、バークレー市外にソーダを買いに出かける
 [2]ソーダ税のためソーダの値段が高くなっても、販売価格を上げない店がある
 [3]人気商品であるソーダの値段を上げて顧客を減らしたくない店側が、その分、別の商品の値段を上げた収益からソーダの税を払うため、税収が上がってもソーダの販売数が減らない
ことが挙げられます。

 ちなみに、バークレー市は、平均所得が、平均的なメキシコに比べてはるかに高い地域です。ソーダの価格が10~20%高くなっても、それほど消費量に影響しないことも考えられます。

■参考文献
Cornell Chronicle「Study: Berkeley soda tax falls flat

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