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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

「砂糖税」は日本でも導入が検討!? 本当に肥満対策になる?

メキシコや米バークレー市で始まった砂糖税の効果

 大西睦子

そもそも、なぜメキシコ?

 メキシコでソーダ税が導入された背景には、高い肥満率があります。経済協力開発機構(OECD)によると、メキシコの成人は70%以上が太りすぎで、32%が肥満、子どもの3人に1人が太り過ぎで、OECD諸国において最も深刻な状況です。

■参考文献
Organisation for Economic Co-operation and Development「OBESITY AND THE ECONOMICS OF PREVENTION: FIT NOT FAT

 安全な水の供給に問題があるメキシコでは、多くの人が水の代わりにソーダなどの糖入り飲料を飲んでいます。温暖な気候だということもあり1日の水分摂取量も多いため、メキシコ人の1人当たりのソーダの消費量は他のどの国よりも高くなっています。2015年4月のメキシコの報告によると、平均的なメキシコ人は、1人あたり年間176リットルのソーダを飲んでいます。単純に計算すると、1日平均500mlに相当し、例えば100mlあたり10gの砂糖類を含む飲料だと、飲料だけで50gの糖分を摂ってしまうことになるのです。こうなると、ソーダ税がメキシコで最初に始まったことも、納得できますね。

■参考文献
Centro de Estudios de las Finanzas Publicas「Medidas fiscales y extra fiscales para contrarrestar el consumo de bebidas saborizadas en Mexico

ソーダ税の効果は?

 では、ソーダ税を課したことで、肥満を減らすことはできるのでしょうか?

 これは誰に質問するかによって異なるでしょう。当然、ソーダ税賛成派は、ソーダ税によって肥満が減ると主張しますし、反対派は税金が単純に肥満の解決にはならないと主張するからです。

 ソーダ税賛成派である、ノースカロライナ大学とメキシコの公衆衛生当局が共同で行った研究によると、2014年のソーダ税導入後、ソーダの売り上げ高は平均6%減少。同年12月になると、前年比12%減となりました。特に低所得者層では最大17%も減少していました。

■参考文献
Global Food Research Program @ UNC「Purchases of taxed beverages decline in Mexico after excise tax takes effect

 ところがニューヨーク・タイムズ(The New York Times)によると、メキシコの清涼飲料業界「Anprac」という、ソーダ税反対派は、清涼飲料水の売り上げ高の下げ幅はわずか2%で、賛成派の研究が不必要に貧しい人を傷つけたとして、彼らの調査結果に異議を唱えています。

■参考文献
The New York Times「Mexico Moves to Scale Back a Successful Tax on Soda

 結果、業界の圧力により、メキシコ連邦議会下院で、ソーダ税を半額にまで減税することが承認されたと英紙ガーディアン(The Guardian)は伝えています。

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