日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > 筋肉をつければ若く、健康に、そして認知症も予防できる?  > 2ページ
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

筋肉をつければ若く、健康に、そして認知症も予防できる?

摂取した糖分の運命は筋肉の利用度が決める

 大西睦子

筋肉が減っていく現象「サルコペニア」が糖尿病の発症の早期予測因子に?

 「サルコペニア」という言葉をお聞きになったことはありますか? これは、高齢になるに伴い、筋肉の量が減少していく現象を指す言葉です。

 加齢に伴い筋肉が減るのは普通だと考えるかもしれませんが、25~30歳頃から進行が始まり、生涯を通して進行していくもので、原因はまだ完全にはわかっていませんが、主に運動しないことや栄養不足などが考えられています。さらに最近は、サルコペニアに肥満が加わった状態=サルコペニア肥満の問題が注目されています。特に40歳代からは筋肉組織の量と質の低下が顕著になってくるといわれ、以前の研究報告では40歳以降、一般的には十年代ごとに、8%以上の筋肉量を失い、さらに70歳以降で加速するとされています。

 例えばひんぱんにつまづく、立ち上がるときに手をつくようになったなどの現象が見られる場合、症状がかなり進行していると考えられるといいます。

 成人の筋萎縮と筋力低下にはかなりの個人差がありますが、それにはピークの筋肉量とそれまでの生活が関係していると考えられています。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Strength and muscle quality in a well-functioning cohort of older adults: the Health, Aging and Body Composition Study.

 また、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles)の研究者は、サルコペニアが、肥満であるかどうかに関係なく、糖代謝異常と強い相関関係があることを見出しました。

 つまり、筋肉量が少ないことが、糖尿病の発症の早期予測因子(病気などになるリスクを増やす要因)であるということを示したのです。

 加齢によるサルコペニアの予防は運動です。例えばレジスタンス・トレーニング(ダンベルや専用マシーンなどを使って筋肉に一定の負荷をかけて筋力を鍛えるトレーニング)は、筋肉の量と強さを改善し、高齢者の生活の機能的自立と質の維持に有効です。筋肉量が増えれば動きやすくなりますから、つまづきにくくなったり、立ち上がるのが楽になるだけでなく、日常生活もアクティブになりますよね。

 筋肉は定期的に使い続けて維持しなければなりません。使わなければすぐに失われていきます。また、過度な食事制限で低栄養の状態だと、脂肪は減らせても筋肉はつきません。運動+適切な栄養のセットで、サルコペニアを予防していくことが、若さと健康の維持には不可欠になります。

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 60代以降で急増! 男を悩ませる前立腺の病気

    中高年にさしかかった男性にとって、病気が心配になる臓器の1つが「前立腺」だ。前立腺の病気のツートップ、前立腺肥大症と前立腺がんは、いずれも中高年になると急増する。前立腺肥大症は夜間頻尿などの尿トラブルの原因になり、前立腺がんは、進行が遅くおとなしいがんと思われているが、骨に転移しやすいという特徴があり、怖い一面もある。今回のテーマ別特集では、前立腺の病気の症状から、具体的な治療法までを紹介していこう。

  • 悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる実践的な対策

    健康診断で多くの人が気にする「コレステロール」。異常値を放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まっていく。数値が悪くても自覚症状がないため、対策を講じない人も少なくないが、異常値を放置しておいてはいけない。では、具体的にどのような対策を打てばいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、健診結果のコレステロール値の見方から、具体的な対策までを一挙に紹介していこう。

  • 老化を進める「糖化」から身を守る対策とは?

    “老けにくい”体にしたいというのは誰もが共通に思うこと。その老化の原因の1つとして最近注目されているのが「糖化」だ。この糖化、見た目の老化はもちろん、体内の血管や内臓、骨、関節などの機能低下にも密接に関わっているという。糖化リスクを遠ざけ、老化を遅らせるためには何を実践すればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、糖化の健康への影響から、その対策までを一挙に紹介しよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.