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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

ダイエットで減った脂肪はどこへいく?

専門家も知らない脂肪燃焼の謎に迫る

 大西睦子

中性脂肪は84%が呼吸で、16%が汗や尿など体液で排出されている

 さて、1つの中性脂肪の分子を、完全に酸化するには、たくさんの酵素や生物化学的なプロセスが含まれるため、解説しようとすると複雑なのですが、著者らはこれを、次のように要約しました。

 まず、中性脂肪が酸化されると、二酸化炭素、水およびエネルギーに変換されます。

 変換の化学反応式は「C55H104O6(トリグリセリド分子)+78O2→55CO2+52H2O+energy」で、ここから推定し、化学量論的には脂肪10kgを失うためには、酸素29kgの吸入が必要ということになります。この化学反応により生成される二酸化炭素量が28kg、水分が11kgだと著者らは算定しました。ただしこの時点では10kgの脂肪の質量の割合は不明です。

 そこで著者らは、質量保存の法則に従い、重さの換算をしました。結果、体重減少の間に、失われた脂肪の84%が私たちの息を通じて、16%が尿、汗、涙、または他の体液などを経由して排出されることを発見しました。二酸化炭素の排出が肺なので、脂肪燃焼はエネルギーの放出ではなく呼気なんだ、というわけですよね。

 つまり質量レベルでは10kgの脂肪を失うと、8.4kgが肺を介して二酸化炭素となり吐き出され、残りの1.6kgは水となり、尿、汗、涙および他の体液中に排泄されるということです。

 では、より多く呼吸をすれば、体重は減少するのでしょうか? もちろん、答えはノーです。

 必要以上の呼吸は、過呼吸を引き起こしますし、めまい、動悸、意識の損失を失う可能性まであります。やはり鍵は運動なのです。

 運動中は体内のより多くの二酸化炭素を取り除く必要があるため、自然に呼吸が速くなります。

 例えば、70kgの成人が座ってばかりいる生活を送っている場合に吐き出す二酸化炭素量は1日約200gです。運動をすれば当然増え、ジョギング1時間で代謝率は7倍も増加し、追加で約40g、二酸化炭素を体内から取り除きます。

 さて、体脂肪10kgだと大きな目標なわけですが、一般人からすると体脂肪1kg減らすにはと考えてみましょう。

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