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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

“睡眠負債”は、週末に返済できる?

眠気は戻っても注意力、集中力は回復しない

 大西睦子

注意力や集中力の回復は期待できない

 結果は評価項目によって異なりました。

  • 1. 予想通り、6泊の睡眠制限で、参加者の日中の眠気が増加しました。ところが、のちの10時間睡眠で日中の眠気のレベルはベースラインにまで戻りました
  • 2. 炎症マーカー(炎症や組織障害により体内で変動する物質)のIL-6は、6泊の睡眠制限期間中に、著しく増加しました。ところが、回復睡眠のあと、ベースラインレベルに戻りました。
  • 3. ストレスホルモン量(コルチゾールレベル)は、睡眠制限期間中はベースラインから変化がありませんでしたが、10時間睡眠を2泊すると、ベースラインの測定値を下回りました。コルチゾールレベルは睡眠時間が強くかかわります。つまりこの実験が始まった時点ですでに、参加者が寝不足だったことが考えられ、これは正常な睡眠の(睡眠障害などのない)健康な若者が、慢性的に睡眠不足だということを示唆しています。
  • 4. 注意力は睡眠制限で著明に悪化しました。しかも、10時間の睡眠でも改善しませんでした

 睡眠は、銀行のシステムとは違うようですね。

 つまり平日の睡眠負債を返すために、週末に長時間睡眠時間をとっても、私たちの体の機能すべてが回復するわけではないのです。特に注意力や集中力の回復は期待できません

 ただし現段階では、この研究は短期間の睡眠負債の実験なので、長期の影響までは分かっていません。

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