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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

加工肉や赤身肉と、どう付き合うべき?

「加工肉などが大腸がんリスクを高める」というWHO発表の真意とは

 大西睦子

そもそも、赤身肉と加工肉は何を示すの?

 赤身肉は、未加工のほ乳類の筋肉、例えば、牛、仔牛、豚、羊、子羊、ウマまたはヤギの肉を示します。ミンチや冷凍も含み、通常調理して食べます。

 加工肉は、それらの肉を、塩せき(※1)、発酵、燻製などの加工によって、風味を高めたり、保存性を向上させた加工した肉を指します。例えば、ホットドック、ハム、ソーセージ、コーンビーフ、缶詰肉、肉ベースのソースなどです。ほとんどの加工肉は、豚肉や牛肉から作られますが、他の赤身肉、鶏肉、臓物や肉副産物などが含まれる場合があります。

※1 塩せき
加工肉の品質を保つための行程の1つ。塩漬によって肉食の固定、保水性、結着性、風味や肉質の改善、そして抗菌、保存性といった品質が得られる。塩せき剤の成分は、食塩、リン酸塩などで、発色剤を添加することが多いのが特徴。発色剤を使わずに作ったハムやウインナーには「無塩せき」とうたわれる。

加工肉と赤身肉、どんながんに関係するの?

 IARCは加工肉を大腸がんの原因になると結論づけ、胃がんとの関連も示唆しました。赤身肉については、主に大腸がんへの影響を示唆しつつ、膵臓がんや前立腺がんとの関係も指摘しています

加工肉が、タバコと同じがんのリスクって本当!?

 IARCは加工肉を、タバコと同じ「グループ1、発がん性がある」物質と判定しましたが、この判定は物質や環境の発がん性の強さや、どれだけの量を摂取すると、がんが発症するかというリスクを評価するものではないことは注意すべきです。

 IARCの判定は、その物質に発がん性があるかどうかを、科学的根拠の強さにより5つのグループに分類しているということです。つまり加工肉とタバコは、同じように発がん性はありますが、同じようながんのリスクがあるわけではないのです。

それでは、加工肉のリスクはどれくらいなの?

 IARCが約800の研究論文を調査すると、加工肉の摂取ががんのリスクをわずかに増加させ、摂取量が増えればそのリスクが高まることが判明。さらに10本の研究論文の解析から、毎日約50gの加工肉を食べると、大腸がんのリスクが18%増すという結論が得られたといいます。約50gはベーコンで約2枚、大きなホットドックなら1本の大きさです

 赤身肉については、強いがんとの関係が示されていないため、消費量との関係の推測は困難でしたが、赤身肉を100gを食べると、大腸がんのリスクが17%高まると示唆されたといいます。

 世界の疾病による負担プロジェクト(Global Burden of Disease Project)の最新の報告では、全世界の死亡者数のうち、加工肉を多く摂取する食生活が要因となった人が年間3万4000人いるといいます。また、赤身肉はがんの原因と確定していないものの、年間5万人が、赤身肉を多く摂取する食生活の影響を受け、死亡しているとも示唆しています。一方でタバコによるがんのために死亡する人は全世界で年間100万人、アルコールは60万人、大気汚染は20万人です。つまり、赤身肉や加工肉の摂取によるがんのリスクは、タバコに比べるとかなり低いともいえます。

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