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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

ジャンクフードの食べ過ぎで脳が萎縮する!?

海馬の発育に影響を与えるのは教育、収入でなく、食事パターンの差だった

 大西睦子

加工食品は避けなければならない

 この結果を踏まえ、ジャッカ教授は以下のようにコメントしました。

「海馬は、一生を通じて学習、記憶および精神的健康の中心です。よって今回の調査結果による見解は、全年齢の人に当てはまるでしょう。つまり、食事の主な成分を野菜、サラダ、果物、豆類、全粒穀物と生のナッツなどの植物性食品、魚や脂肪の少ない赤身肉、オリーブオイルなど、健康な脂質にするべきだということです。
 同時に、清涼飲料水、塩味の揚げたスナック、焼き菓子 (商業的に生産されたドーナッツ、ケーキ、ビスケットなど)のような加工食品は、極力、回避するべきです。健康に良くない脂質や糖分、精製された炭水化物を多く含む食品類は、海馬や消化管に悪影響をおよぼすのです。
 最近の研究で、腸内細菌叢が体や心の健康に関して、中心的な役割を果たすと分かってきました。食物繊維を多く含む食品や発酵食品は、腸内細菌叢の健康を促進しますが、脂肪や人工甘味料、乳化剤を含む加工食品は、腸の健康を損傷してしまうすることが理解されています」

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「The gut microbiome and diet in psychiatry: focus on depression.

食事パターンと精神障害の発症の関係

「今後、精神障害、特にうつ病に対する、食事がおよぼす影響を評価するための臨床試験が必要です。すでに調査は進んでおり、今後6カ月以内にその結果を報告できるでしょう。私は、栄養精神医学という新しい分野が、精神疾患や神経疾患による世界規模の苦悩に立ち向かえると信じています

 世界保健機関(WHO)によると、精神疾患や神経疾患に苦しむ人は世界で4.5億人にも上り、生涯に4人に1人が経験しています。これまで精神障害の治療は薬物療法に重点が置かれ、精神障害に苦しむ人々の数は世界中でそれなりに減少しましたが、特に大きな割合を占めるうつ病と不安障害の人口は、今後数十年のうちに世界全体でさらに増加すると示唆されています。

 精神障害の発症には遺伝や環境などのさまざまな要素が複雑に影響しあっていますが、今回の報告で、食事のパターンの重要性が示されました。

 みなさんも、これを機会に、普段から口にしている食事のメニューや食材の傾向、例えば肉や魚、野菜のうち、何が中心で何が少ないか、摂っている油脂類や炭水化物の種類や状態など、ぜひ再確認してくださいね。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2015年9月29日付け記事からの転載です。

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