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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

ジャンクフードの食べ過ぎで脳が萎縮する!?

海馬の発育に影響を与えるのは教育、収入でなく、食事パターンの差だった

 大西睦子

 具体的にはどのように、食事が私たちの脳へ、影響をおよぼすのでしょうか?

 ジャッカ教授らが注目したのは脳にある「海馬」です。海馬は学習や記憶、抑うつなど気分の調節に関与しています。また成人でも「ニューロン(神経)新生」と呼ばれるくらい、新しい神経細胞をつくるまれな脳の領域です。

 これまでの研究では、運動やカロリー制限などは成人の海馬のニューロン新生を増加させ、酸化ストレスや老化はニューロン新生を減少させること。また、海馬の体積はうつ病の成人だと減少し、抗うつ薬はニューロン新生と海馬の体積を増加させると報告されてきました。

 また、食事と精神や認知機能の関係についても多くの動物実験が行われ、その中で海馬が重要な役割を果たすことが証明されてきましたが、人間に関しては研究結果が示されてきませんでした。そこでジャッカ教授らは、人間を対象に、食事のパターンが海馬に与える影響を調査。2015年9月号の医学雑誌「BMC Medicine」に報告しました。

教育レベルや収入レベルの差ではなく、食事パターンの差が海馬に影響を与える

 調査は「Personality and Total Health(PATH)Through Life project」と呼ばれるオーストラリアの疫学調査に参加する、60~64歳(2001年時点)の255人を対象に行われました。

 ジャッカ教授は「調査対象者は一般的なオーストラリア人より高等教育を受けている必要も、高収入である必要もありません。社会的弱者であったとしても食事パターンと海馬の体積には、強力な関係が示される可能性があるからです。教育レベルの差異に関係なく、体や心の健康の問題やストレスは、食事と同様に海馬の体積に影響を与える要因であるためです」

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