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医学博士 大西睦子 食・医療・健康のナゾ

熱中症は、お盆後こそ油断ならない!

米国では、1999年から2009年までに7800人以上が猛暑で死亡!?

 大西睦子

温暖化で1年を通じて健康に深刻な影響

 このような温暖化による変化が懸念されるなか、2016年4月、米ホワイトハウスは米国地球変動研究プログラム(USGCRP)の報告書を発表しました。報告書で気候変動が現在および将来、人間の健康に影響を与える具体例が示されています。

[1]頻繁に起きる長く厳しい猛暑による、熱中症(熱けいれん、熱疲労、熱射病)の発症の増加
[2]気温の上昇や降水量の変化で、オゾンや浮遊粒子、花粉が増加し、大気の質が悪化するため、アレルギー、喘息、心血管疾患や呼吸器疾患、早死のリスクが高まる
[3]水面の上昇、激しい洪水、ハリケーンや嵐による怪我や死亡、水質汚染の悪化による消化管疾患の発症が高まる
[4]ダニの生息地域が拡大し、ライム病のリスクが高まる(他にもデング熱、ジカ熱やマラリアなど、蚊が媒介する感染症もリスクが高まりますね)
[5]高温多湿によるサルモネラなどの食中毒の発生が高まる
[6]災害、トラウマ心的外傷による精神的な悲痛や社会的影響が広がる
[7]気候変動と二酸化炭素の増加による、食品の安全性、栄養、流通が変化する


■参考文献
U.S. Global Change Research Program「The Impacts of Climate Change on Human Health in the United States: A Scientific Assessment

 温暖化が進めば、猛暑は夏だけ気にすればいいものではなくなります。すでに私たちは1年を通じて健康に深刻な影響を受けるようになってきているのです。

1999年から2009年までに7800人以上が猛暑で死亡

 ところで、猛暑とは何でしょうか?

 米疾病予防管理センター(CDC)によると、合意した猛暑の定義はありませんが、ほとんどの定義は長期間(数日以上)異常に暑い気候が続き、人間の健康に害を及ぼす可能性があることを示します。

 猛暑にさらされると不快感や疲労、熱けいれんが引き起こされ、病院や緊急治療室の利用が高まります。また死亡に至るケースがあることはご存じの通りで、実際、1999年から2009年までに7800人以上の米国人が猛暑由来で死亡しています。死亡に至らないまでも、猛暑は上記のようなさまざまな健康への悪影響を及ぼします。また、猛暑は既存の病状を悪化させることがありますが、そのようなケースはカウントすることは難しいのです。

 もちろんこれは米国だけではなく、世界中の問題になっています。

 例えば、2003年には欧州における猛暑のため、フランスだけで1万4800人が死亡しました。厚生労働省によれば日本でも2013年に1077人、2014年に529人が熱中症で死亡しています。

 年代についても、特定の層だけが猛暑を気にすればいいわけではありません。誰もが準備、対応しなければならないのです。ただ、特に子どもたちと、65歳以上の高齢者、特定の障害者、貧困や社会的孤立そしてホームレスの方は、猛暑による健康への問題が生じるリスクがより高まる傾向があります。都市部在住者は、将来今よりさらに「ヒートアイランド」現象にさらされるリスクが高まっています。

■参考文献
Centers for Disease Control and Prevention「CLIMATE CHANGE and EXTREME HEAT EVENTS
熱中症
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