日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > IgG検査に疑問あり!? 抗アレルギーダイエットへの懸念  > 3ページ目
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

IgG検査に疑問あり!? 抗アレルギーダイエットへの懸念

必要のない食事制限を招く恐れも

 大西睦子

 

【2】アレルギーぜん息&免疫学アメリカンアカデミー(AAAAI)


 EAACIの声明を支持します。

 食品に対するIgG4検査が世界中で普及しています。この検査は、疑いのあるアレルギー症状のために、簡単に検査ができますが、結果の解釈が難しいことが問題です。臨床的な証拠がないのに、診断を行うため不適切に使用すると、患者さんのケアや生活の質の低下につながる可能性があります。


【3】カナダアレルギー臨床免疫学会(CSACI)


 EAACIとAAAAIの声明を支持します。

 CSACIは、食品感度、食物不耐症や食物アレルギーを識別するための簡単な手段として、過去数年間にわたり、一般市民に向けのIgG検査の市場拡大について大きく懸念しています。過去には、代替ないし補完医療を実践する医療機関にサービスを通じて、広く提供されましたが、今では全国チェーンの薬局を通じて、消費者に直接販売されています。


IgG検査の根拠となる研究はない

 IgG検査を、食物に対する有害な反応の診断、将来の副作用の予測のために使用するための根拠となる研究はありません。文献では、食品に特異的なIgGは、食品にさらされたり、食品に耐性をもつことのマーカーであることが示唆されています。ですので、食物特異的IgG検査の結果は、健康な成人および子どもでも陽性となる可能性があります。このテストの不適切な使用は、誤った診断の可能性が増大し、 不要な食事制限が生じ、生活の質が低下します。

 現状では、「遅延型フードアレルギー検査の結果で、食物アレルギーの診断は、必要のない食事制限を招き、かえって子どもの成長不良、栄養失調のリスクになる」ことが懸念されています。

 食物アレルギーの原因となる食品の同定、食事療法のアドバイスには、専門医の診断が必須ですね。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2014年11月10日付け記事からの転載です。
■日経Gooday編集部より追記
食物アレルギーの原因食品の診断法としてIgG抗体を用いることに対しては、日本小児アレルギー学会も推奨しないとの見解を2014年11月19日に発表しており、日本アレルギー学会も同様の見解を2015年2月25日に示しています。

先頭へ

前へ

3/3 page

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 加齢で進む胃の不調 機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の原因と対策

    加齢により胃の機能が衰えると、さまざまな不調が起きる。ピロリ菌の除菌が進んで胃がんや胃潰瘍が減ってきた今、胃の病気の主役は、胃もたれや胃痛の症状を招く「機能性ディスペプシア」と、胸やけやげっぷが起きる「逆流性食道炎」の2つに移行しつつある。なぜ機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は起きるのか、どのような治療が必要なのか、セルフケアで改善・予防できるのか。このテーマ別特集では、胃の不調の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.