IgG検査に疑問あり!? 抗アレルギーダイエットへの懸念
必要のない食事制限を招く恐れも
大西睦子
【2】アレルギーぜん息&免疫学アメリカンアカデミー(AAAAI)
EAACIの声明を支持します。
食品に対するIgG4検査が世界中で普及しています。この検査は、疑いのあるアレルギー症状のために、簡単に検査ができますが、結果の解釈が難しいことが問題です。臨床的な証拠がないのに、診断を行うため不適切に使用すると、患者さんのケアや生活の質の低下につながる可能性があります。
【3】カナダアレルギー臨床免疫学会(CSACI)
EAACIとAAAAIの声明を支持します。
CSACIは、食品感度、食物不耐症や食物アレルギーを識別するための簡単な手段として、過去数年間にわたり、一般市民に向けのIgG検査の市場拡大について大きく懸念しています。過去には、代替ないし補完医療を実践する医療機関にサービスを通じて、広く提供されましたが、今では全国チェーンの薬局を通じて、消費者に直接販売されています。
IgG検査の根拠となる研究はない
IgG検査を、食物に対する有害な反応の診断、将来の副作用の予測のために使用するための根拠となる研究はありません。文献では、食品に特異的なIgGは、食品にさらされたり、食品に耐性をもつことのマーカーであることが示唆されています。ですので、食物特異的IgG検査の結果は、健康な成人および子どもでも陽性となる可能性があります。このテストの不適切な使用は、誤った診断の可能性が増大し、 不要な食事制限が生じ、生活の質が低下します。
現状では、「遅延型フードアレルギー検査の結果で、食物アレルギーの診断は、必要のない食事制限を招き、かえって子どもの成長不良、栄養失調のリスクになる」ことが懸念されています。
食物アレルギーの原因となる食品の同定、食事療法のアドバイスには、専門医の診断が必須ですね。
医学博士
