日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > IgG検査に疑問あり!? 抗アレルギーダイエットへの懸念  > 2ページ目
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

IgG検査に疑問あり!? 抗アレルギーダイエットへの懸念

必要のない食事制限を招く恐れも

 大西睦子

米国で流行し始めた抗アレルギーダイエットに疑問!

 ところで、最近、別のタイプのアレルギーが、議論されています。IgG(免疫グロブリンG)という抗体が関与する、「遅延型」と呼ばれるアレルギーです。

 遅延型は、食物を(特に同じ食べ物をひんぱんに)摂取したあとにゆっくりと体に起こる炎症が、原因の1つという説が主張されています。そのため数時間から数日後に症状が発症します。肥満、疲労、頭痛、花粉症、喘息、関節痛、胸焼け、膨満感、下痢、不眠、注意欠陥多動性障害、アトピー性皮膚炎、にきびなどさまざまな慢性的な症状に関与すると主張されています。

 その診断法として、「遅延型フードアレルギー(IgG)検査」と呼ばれる、食べ物の抗原特異的IgG抗体を測定する血液検査があります。ところが、専門家の間で、IgG抗体を用いた食物アレルギー検査の有用性が、疑問視されているのです。

 さらに最近米国では、遅延型のアレルギーによる炎症が肥満の原因という理由で、メディアでも大きく取り上げられたことで、減量対策として「抗アレルギーダイエット、アレルギー食品の除去ダイエット」が流行しています。さまざまな情報で、国民が混乱する中、欧米諸国の専門家の学会が、以下の声明を発信しています。

【1】欧州アレルギー臨床免疫学会議(EAACI)


 食品に特異的なIgG4(IgG4は、IgGのサブクラスの1つ)を用いた検査で、何百もの食品の大規模なスクリーニングが行われますが、診断的価値において、科学的根拠が欠如しています。多くの結果が、臨床症状に関係なくても、陽性を示します。この検査により、多くの患者さんが、確定診断なしに、病気の症状が、食物摂取に関係していると信じてしまいます。

 結論として、IgG4検査は、食物アレルギーや食物不耐症に無関係であると考えられます。この反応は、むしろ私たちが繰り返し食品成分にさらされると、免疫系による外来タンパク質として認識される生理学的な応答です。食品に関連する患者からの訴えに対する診断として、使用すべきではありません


RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

  • 長年の悩み「腰痛」を解消! 痛みを和らげる体操4選

    腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。

  • 怖い緑内障 忍び寄る失明を回避するには

    緑内障は放っておくと失明を招く怖い病気だが、病気が進んでも中心部の視力は保たれるため、自分ではなかなか気づきにくい。本記事では、緑内障による失明を回避するために知っておきたい期症状の特徴や、早期発見のために必要な検査、最新治療などについてコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.