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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

睡眠時無呼吸症候群を治していびき封印→愛復活!?

症状がひどい場合はCPAP療法も検討を

 大西睦子

誤解4:閉塞性SASは、女性や子供には起こらない

 いいえ。たしかに閉塞性SASは40歳以降の男性に多いのですが、女性や子どもでも発症します。特に更年期以降の女性は、閉塞性SASの罹患率が上がるのです。閉経によるホルモンバランスの変化が、閉塞性SASの発症に関与していると言われています。また、最近は太り気味の子どもが増えていることもあり、いびきをかいている子どもは、閉塞性SASの疑いがあります。

誤解5:アルコールは、閉塞性SASの症状の緩和に役に立つ

 いいえ。アルコールは、閉塞性SASの症状を悪化させます。アルコールはのど周囲の筋肉をリラックスさせ、気道を狭くする可能性があります。またアルコールの飲み過ぎで体重が増加すると、さらに閉塞性SASが深刻になることがあります。

誤解6:閉塞性SASは、治療をしなくてもいい

 いいえ。治療によって、心疾患、脳卒中や糖尿病などのリスクが減り、健康と生活の質を向上し、長生きする可能性が高まります。治療は、重症度や原因などによって異なりますから、専門医との相談が必要です。基本的に、食事や運動の生活習慣の改善は大切です。

 欧米や日本では、CPAP療法が普及しています。CPAP療法は鼻のマスクから気道に空気を送り圧力を持続するもので、コツがつかめて慣れてくれば、ふつうに睡眠できます。またマウスピース療法(口腔内装置)は、下あごが上あごより少し前方に出るように固定して気道を広くします。軽症~中等症の閉塞性SASでは、効果が期待できます。

 なお、マウスピース療法やCPAP療法は根治療法ではありません。外科的手術を行うケースはマウスピース療法やCPAP療法より少ないです。

誤解7:CPAP療法は、性生活に悪影響を及ぼすの?

 いいえ。CPAP療法は、SASの男性患者さんにおける勃起不全を改善することが示されています。さらに、先日、米国テキサスで開催された、米国胸部疾患学会議学会(American College of Chest Physicians)で、ロザリンド・フランクリン医科大学(Rosalind Franklin University of Medicine and Science)の研究者らは、「CPAP装置を使用する閉塞性SASの患者さんは、性的に魅力的ではないと信じている人もいますが、CPAP療法により性生活の質は損なわれない」と報告しました。

■参考文献
American College of Chest Physicians「Study shows CPAP use for sleep apnea does not negatively impact sexual quality of life


 いかがでしょうか? いびきや無呼吸が気になるなら、ぜひ、専門医に相談しましょう。友人の場合も、CPAP療法に旦那さんが慣れるのに、時間がかかっても彼女が協力し続けることに決めたようです。

 愛もきっと、復活すると思います。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2014年10月31日付け記事からの転載です。

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