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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

睡眠時無呼吸症候群を治していびき封印→愛復活!?

症状がひどい場合はCPAP療法も検討を

 大西睦子

誤解1:SASとは「いびき」のこと?

 いいえ。「いびき」は、SASの症状の1つであり、「SAS=いびき」ではありません。いびきは、睡眠中に、空気の通り道(気道)が狭くなり、空気が通るときに鼻やのどの粘膜が振動して生じる「音」のこと。

 一方、SASはいびきよりも深刻で、睡眠中に呼吸が止まる病気です。一晩に何百回も、呼吸が止まる人もいます。医学的には、睡眠中に10秒以上呼吸が止まる症状が、一晩(睡眠時間7時間)に30回以上、もしくは1時間に平均5回以上あると、SASとみなされます。SASのほとんどは、睡眠中にのどの空気の通り道が塞(ふさ)がる、狭くなることで起こる、「閉塞性SAS」です。睡眠中に、ひどいいびきや「無呼吸」を指摘される場合、適切な診断や治療のため、専門医に相談しましょう。

誤解2:閉塞性SASは、肥満の人だけに起こる?

 いいえ。確かに、肥満の人は、首周りの脂肪の増加により、閉塞性SASのリスクが上昇します。ただし、肥満だけではなく、首の周りの筋肉が発達したアスリートでも同様のリスクがあります。

 例えば、米国ではアメリカンフットボールのプロ選手の14%に、睡眠時呼吸障害を認めたと報告されています。

■参考文献
US National Library of Medicine「Sleep and breathing in professional football players.


 さらに、痩せている人も、下あごが小さい、下あごが後方に引っ込んでいる場合はリスクになりますし、扁桃の肥大、舌が大きい人は、閉塞性SASのリスクが高くなります。

誤解3:閉塞性SASは、長期的には問題ない

 いいえ。閉塞性SASによる呼吸の停止は、血液中の酸素の濃度が減り、心臓血管疾患のリスクが高まります。また呼吸が苦しくなり、睡眠で休息が十分にとれず、日中に集中力の低下、眠気や疲れが起こります。中等度から重度の閉塞性SASは、交通事故に巻き込まれるリスクが15倍も増加すると報告されています。

 閉塞性SASは、高血圧のリスクも高めます。高血圧の人のうち30~80%がSASを罹患していますし、中等度の閉塞性SASの43%、重症の閉塞性SASの69%の人が、高血圧症と診断されているのです。

 また閉塞性SASは、糖尿病とも関連性があり、重症型のSASは、2型糖尿病の発症のリスクが30%も上昇したことが報告されています。このほか閉塞性SASは脳卒中、心筋梗塞や狭心症などを合併するリスクが高まることが示唆されています。

■参考文献
Global leaders in sleep and respiratory medicine「Sleep Apnea Facts and Figures
The ATS Journals「Obstructive Sleep Apnea and Incident Diabetes. A Historical Cohort Study


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