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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

日焼け止めで欠乏症に!? ビタミンD不足に注意が必要な理由とは

骨粗しょう症、筋力低下、心疾患、免疫低下を招く恐れも

 大西睦子

どれだけビタミンDが必要?

 ビタミンDの必要量については、多くの科学者たちにより、激しい議論が交わされています。

 米国医学研究所(Institute of Medicine:IOM)は、1997年から、1日あたり200IUのビタミンD摂取量を推奨してきました。ところがIOMは、2010年11月30日、米国とカナダの子どもと大人に対して、ビタミンDの推奨摂取量を、1日あたり600IU、71歳以上の高齢者は800IU以上に変更しました。さらに、ビタミンD摂取の上限は、それまでの2000IUから、4000IUに変更されました。

 実に3倍の量の変更ですが、ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者らは、「この新しいガイドラインの変更は、最新の研究成果によるビタミンDの骨や慢性疾患への効果を考えると保守的すぎる、もっとビタミンDの摂取が必要。また、4000IUが健康の害になるという証拠はない」とコメントしています。この状況を考えますと、将来、さらにビタミンDの推奨摂取量が変更される可能性があります。

■参考文献
The American Journal of Clinical Nutrition「Issues in establishing vitamin D recommendations for infants and children.

 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)では、18歳以上男女で、5.5μg(=220IU)、摂取の上限は100μg(=4000IU)とされていて、新しい米国の推奨量より低めに設定されています。日本でも米国同様に、ガイドラインの見直しは必要だと思います。

■参考文献
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要

 さて、サプリメントでの摂取が簡単そうに思えてしまいますが、もちろんビタミンDは、食べ物からも摂取できます。サーモン、サバ、ニシンなど油が多い魚はビタミンDが豊富です。また米国では、多くの乳製品やシリアルなどにビタミンDが添加されています。

 「平成25年国民健康・栄養調査報告」によると、日本人男性は平均8.1μg(324IU)、女性が平均6.9μg(276IU)であり、厚労省の摂取基準は満たしています。

■参考文献
厚生労働省「平成25年国民健康・栄養調査報告

 ただ日常的にビタミンDを含んだ食品の摂取が少ない人や、日光を浴びることが極端に少ない人は、サプリメントの利用を考えるべきでしょう。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2015年7月27日付け記事からの転載です。

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