日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > 医療・予防  > 医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ  > 日焼け止めで欠乏症に!? ビタミンD不足に注意が必要な理由とは  > 4ページ
印刷

医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

日焼け止めで欠乏症に!? ビタミンD不足に注意が必要な理由とは

骨粗しょう症、筋力低下、心疾患、免疫低下を招く恐れも

 大西睦子

ビタミンDと心疾患

 心臓を動かす筋肉は心筋細胞でできていますが、心筋細胞にも、四肢の骨格筋のようにビタミンDの受容体が存在します。つまりビタミンD欠乏症が、心臓病に影響を与えて不思議はないわけです。

 ハーバード大学公衆衛生大学院の研究者らは、健常な男性医療従事者約5万人を対象に、ビタミンDの血中濃度と、心疾患の発症の有無を10年間、調査しました。その結果、ビタミンDが欠乏していた男性は、適切なレベルの男性と比べて、心臓発作が起こる可能性が2倍高くなることがわかりました。

 他の研究でも、ビタミンDレベルの低さが、心不全、心臓突然死、心臓発作、心血管疾患の罹患と死亡と関連するとされています。

 そのメカニズムとしては、ビタミンDが血圧コントロールや動脈の損傷を防止する役割があるからだと考えられています。ただ、まだまだ研究が必要な分野ではあります。

ビタミンDとがん

 1980年、ジョンズ・ホプキンス大学の研究者たちは、非常に興味深い論文を提出しました。大腸がんによる死亡率が、地理的な位置と関係があるというのです。報告によると、北米に住む人は、赤道の近く住む人よりも、大腸がんによる死亡率が高いといいます。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Do sunlight and vitamin D reduce the likelihood of colon cancer?

 この報告は、高緯度に住む人は紫外線が少なく、ビタミンDのレベルが下がり、大腸がんリスクが高まるという仮説につながりました。

 以降、多くの研究者たちが、ビタミンDと大腸がんやその他のがんのリスクの関係を調査してきました。

 その結果、低いビタミンDのレベルは、最も大腸がんのリスクと関連しており、他にも乳がんのリスクとも関連づけられています。

 ビタミンDのサプリメントのがん予防効果は不明ですが、現在、ハーバード大学の研究者らは「VITAL trial」と呼ばれる研究で調査を進めています。また、カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究者らは、北米の住民に、骨粗しょう症や骨折の予防とがん予防の観点から、1日2000IUのビタミンDを摂取するよう推奨しています。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Vitamin D for cancer prevention: global perspective.

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 60代以降で急増! 男を悩ませる前立腺の病気

    中高年にさしかかった男性にとって、病気が心配になる臓器の1つが「前立腺」だ。前立腺の病気のツートップ、前立腺肥大症と前立腺がんは、いずれも中高年になると急増する。前立腺肥大症は夜間頻尿などの尿トラブルの原因になり、前立腺がんは、進行が遅くおとなしいがんと思われているが、骨に転移しやすいという特徴があり、怖い一面もある。今回のテーマ別特集では、前立腺の病気の症状から、具体的な治療法までを紹介していこう。

  • 悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる実践的な対策

    健康診断で多くの人が気にする「コレステロール」。異常値を放置すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や狭心症のリスクが高まっていく。数値が悪くても自覚症状がないため、対策を講じない人も少なくないが、異常値を放置しておいてはいけない。では、具体的にどのような対策を打てばいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、健診結果のコレステロール値の見方から、具体的な対策までを一挙に紹介していこう。

  • 老化を進める「糖化」から身を守る対策とは?

    “老けにくい”体にしたいというのは誰もが共通に思うこと。その老化の原因の1つとして最近注目されているのが「糖化」だ。この糖化、見た目の老化はもちろん、体内の血管や内臓、骨、関節などの機能低下にも密接に関わっているという。糖化リスクを遠ざけ、老化を遅らせるためには何を実践すればいいのだろうか。今回のテーマ別特集では、糖化の健康への影響から、その対策までを一挙に紹介しよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2020 Nikkei Inc. All rights reserved.