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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

インスタントラーメンで女性のメタボが加速!?

週2回以上の摂取には要注意

 大西睦子

せめて、陶器の器で食べる

 研究者らはさらに、環境ホルモンとして知られる「ビスフェノールA(BPA)」と呼ばれる化学物質の関与を懸念しています。BPAはインスタントラーメンの発泡スチロール容器によく使用され、熱湯を入れたときに溶け出すことが指摘されています。BPAは女性ホルモンのエストロゲンと似たような構造を持つため、エストロゲン同様の作用をし、ホルモン調節機構をかく乱してしまうのです。それが脂肪の生成を加速させ、肥満と関連するという報告もあります。

■参考文献
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Effects of bisphenol A on adipokine release from human adipose tissue: Implications for the metabolic syndrome


 今回、インスタントラーメンに科学的見地から改めて警鐘を鳴らした筆頭著者のヒョン・ジュン・シン医師は、ハーバード公衆衛生大学院、栄養疫学博士課程在籍ですが、もともとベイラー大学医療センター臨床心臓学フェロー、つまり心疾患の専門家でもあります。シン医師は、米国大手メディア「TIME」に対して、「即席麺は生麺と違い、おいしくするためにかなり加工されていますし、5分以内に調理できて簡単です。でも生麺だって、インスタントより数分間長くゆでるだけ。あなたの心臓にとって、その数分間待つことは十分価値のあることです」と話しています。

■参考文献
TIME「How Instant Noodles Can Hurt Your Heart


 また、ハーバード大学公衆衛生学部のフランク・フー教授は、ニューヨークタイムズ紙に対して、「月に1、2回のインスタントラーメンは問題ではないけど、週に数回は問題」と答えています。

■参考文献
The New York Times「Instant Noodles Tied to Heart Risk


 週に2回以上インスタントラーメンを食べる人や、肉・加工食品中心の食事をしている人は、老若男女問わず、メタボリック症候群のリスクが高い傾向が示されていますので、男性も方も十分に注意が必要ですね。

 カップラーメンは、緊急時には役に立ちますが、毎日の食事としてはどうでしょうか。インスタントラーメンは、塩分と脂肪、炭水化物、添加物が多く、ビタミンやミネラルなどの栄養価が低いことが気がかりです。どうしても、というときは、ぜひ野菜などの具をたっぷり加えたオリジナルラーメンにアレンジしてみてください。もちろん、使い捨ての発泡スチロール容器ではなく、陶器などの食器に盛りつけてくださいね。洗い物などちょっとした手間をいとわなければ、BPAにさらされずに済みますし、エコにもつながるのではないでしょうか。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2014年10月24日付け記事からの転載です。

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