インスタントラーメンで女性のメタボが加速!?
週2回以上の摂取には要注意
大西睦子
女性は週1食でもリスクが高まる
次に研究者らは、同じKNHANESの回答者について、インスタントラーメンを食べる頻度と、メタボリック症候群やそのリスク要因との関連性を詳細に統計分析しました。
すると、男女で差があることが明らかになりました。
週2回以上インスタントラーメンを食べる女性は、月に1度も食べない女性に比べて68%もメタボリック症候群の有病率が高くなり、週に1回インスタントラーメンを食べる女性は、月に1度も食べない女性に比べて26%高くなることが示されました。
調査対象の女性全般にこうした傾向が見受けられ、それは普段の食事が伝統食中心でも肉・加工食品中心でも同じでした。ところが男性の場合、インスタントラーメンを食べる頻度とメタボリック症候群の有病率の関係が、女性のようには表れませんでした。
つまり女性は、普段は健康的な食事を摂るようにしていても、インスタントラーメンを習慣的に食べるだけで、メタボリック症候群のリスクが高まるのです。
なぜ、女性だけリスクが高まったのでしょうか。
その理由として研究者らは、性ホルモンや代謝などの男女の生物学的な違いを考察しています。ただそれ以外にも、同じ食事パターンでも摂取した食品群の割合の違いが男女で異なるとか、メタボリック症候群の診断における腹囲の基準の男女差、社会的に望ましいとされる回答をしてしまうことで調査の正確さに影響が出ていること、などを可能性として挙げています。
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