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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

食べるから太る? 太るから食べる?

カロリーよりも、 食事の質やパターンに要注意

 大西睦子

カロリーを制限すると、結局お腹がすくようになる!?

 ルートウィヒ教授は、ニューヨークタイムズ紙で、次のように述べています。

 「人間の体に必要なエネルギーに対し、血液中を流せるエネルギーは非常に少なく、多くのカロリーが脂肪組織にため込まれます。つまり、摂取したエネルギーが、どこに分配されるのかに問題があるわけです。私たちの体に十分なカロリーが蓄えられていても、血液中に流れるのではなく、間違った場所に蓄積されている限り、血液中のエネルギーは常に足りないと感じるので、食べる量を減らすことはできず、逆にどんどん摂取していくことになります。人間は太っていくに連れて、よりお腹がすくようになるのです。

 まるで、血管から外に水が漏れて、周囲の組織にむくみが生じる浮腫のような状態で、この状態ではどんなに水を飲んでも、水分が血管から外に漏れてしまうので、喉の乾きが抑えられないことがあります。同じように、脂肪細胞が多くの燃料を取り込んでしまうと、食べたカロリーは体が必要なエネルギーとして利用されず、脂肪細胞の増殖を増長し、さらに食べ過ぎが抑えられなくなる可能性があります。

 また、カロリー制限をすると一時的減量には効果があるため、体重のコントロールができていると思いがちですが、減量後、脳は体にカロリー摂取量を増やして(=お腹がすく)、エネルギーを節約(代謝が遅くなる)するように命じます」
■参考文献
The New York Times「Always Hungry? Here's Why

 みなさんは、ルートウィヒ教授らの仮説はどう思われますか?

 少なくとも、やはり精製された炭水化物や糖分、それらを利用した加工食品の摂取は控えるべきです。インスリンが過剰に分泌されて、脂肪が体内に蓄積し、さらに空腹が引き起こされて食べ過ぎる、という悪循環が生じる可能性があります。

 本気で減量を考えるのでしたら、カロリーよりも、 食事の質やパターンを気にするほうが大切ですね。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2015年6月17日付け記事からの転載です。

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