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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

食べるから太る? 太るから食べる?

カロリーよりも、 食事の質やパターンに要注意

 大西睦子

体重をコントロールするインスリン

 人間が生きるうえでの重要なエネルギー源である、糖、遊離脂肪酸(脂肪細胞内にたくわえられた中性脂肪が分解され、血液中に放出されたもの)や、ケトン体(脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に放出されるアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸などアセトンのこと)の血液中の濃度は、体内で厳しくコントロールされています。

 血液中の糖、遊離脂肪酸、ケトン体の濃度が急激に下がると、激しい空腹感が起こり、食事を摂取するよう脳に指令を出します。この調節において、特に大きな役割を担っているのが「インスリン」です。インスリンは炭水化物や脂質の代謝を調整しているホルモンで、食後の血糖値を下げたり、余ったエネルギーを脂肪にため込む働きがあります。

 インスリンが足りないと、体重が減少していきます。膵(すい)臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、インスリンが出なくなる1型糖尿病の患者さんは痩せている人が多いのが特徴です。

 一方、インスリンの作用が過剰な状態は、体重増加を引き起こします。必要以上のインスリン治療が行われた糖尿病患者や、「インスリノーマ」(インスリンを過剰に分泌する膵臓の腫瘍)の患者は、体重が増加してしまいます。

カロリーが同じでも高GI食品は肥満を生む!?

 さらにルートウィヒ教授らは、米国人が精製された炭水化物(白いパンや白米、砂糖など)を摂取することが増えたために、インスリンのレベルが増加し、より多くのエネルギーが脂肪細胞に貯蓄され、肥満が増えたと指摘しています。

 教授らは2004年、医学雑誌「Lancet」に高GI食品を摂取(炭水化物の中で消化の速いGI値の高い食品を選んで摂取)したラットは、低GI食品を摂取したラットに比べて、71%も体脂肪が増えて、心血管疾患の危険因子が悪化したと報告しました。このときのラットの餌は、炭水化物のGI値以外は同じものでした。

 つまり高GI食品といわれる加工食品など、質の良くない食事は、カロリーを抑えたとしても、肥満につながる可能性があるのです。

■GI
グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略。食べた物によって食後の血糖値が違うことから食後の血糖上昇の程度によって食べ物に点数をつけたもの。食べた物によってどれくらい血糖値が高くなるかという指標となる。
US National Library of Medicine National Institutes of Health「Effects of dietary glycemic index on adiposity, glucose homoeostasis, and plasma lipids in animals.
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