エナジードリンクを飲む前に、知っておくべき7カ条
カフェインや添加物の摂り過ぎに注意
大西睦子
【成分1:カフェイン】アスリートの死亡原因にもなり得る!?
米食品医薬品局(US Food and Drug Administration;FDA)は、コーラなどの飲料に含まれるカフェインの量を規制していますが、カフェインそのものは、法的に禁止や制限された薬物ではなく、一般的には安全と認められる物質です。レッドブルは1缶(250ml)あたり80mgのカフェインが含まれています。最近、米国で大人気のエナジードリンク、5 Hour Energyは、1缶(60ml)当たり200mgのカフェインが含まれています。ちなみに、コーヒーカップ1杯で約80~120mg、紅茶カップ1杯で約50mg、コーラ350ml 1本で35mgのカフェインを含むとされます。
Caffeine Informer「Caffeine Content of Drinks」
カフェインは、脳神経系に作用します。
適度な量のカフェイン摂取は、エネルギーの増加、身体能力の向上、疲労減少、瞬発性の向上、認知機能の強化、集中力と短期記憶の向上につながるという研究報告があります。
一方で、カフェインの摂取とその減量や中止による、さまざまな健康への影響が懸念されています。神経過敏、不安、精神錯乱、手足の震え、骨粗しょう症、消化器系の問題、吐き気、不眠、眠気、頻尿、頭痛、動悸、不整脈、および高血圧などの症状が表れたり、学齢期の子どもたちの場合、1日あたり120mgから145mgのカフェインを2週間摂取すると、禁断症状が表れることも報告されています。
またカフェインの過剰摂取(使用)によって生じる心血管系への影響は、アスリートの死亡原因にもなっています。カフェインの値が高い場合、十分な水分補給がないと、カフェインの利尿効果により脱水症状を誘発します。
ある研究では、米国における高校生の95%が、カフェインを摂取していることが明らかになりました。そのほとんどは炭酸飲料からの摂取です。カフェインを摂取している若者は、摂取していない若者よりも、日々の不安が悪化しているという報告もあります。
日本でも2011年に、食品安全委員会(内閣府)が海外のリスク管理機関等の状況をまとめ、以下のように発表しています。
内閣府・食品安全委員会「食品中のカフェイン」