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医学博士 大西睦子 食・医療・健康のナゾ

結局、何を食べればいいの!? 高まる「食への不安」

「米国人のための食生活ガイドライン」改訂の波紋

 大西睦子

赤身肉の摂取削減など科学的根拠に基づく事柄が消えた!?

 実は、2015年2月に出されたDGAs草案における検討委員会による推奨事項と、今回発表された最終版のDGAsには顕著な違いがありました。

 栄養疫学研究の第一人者であるハーバード大学ウォルター・ウィレット教授は、ボストングローブ紙に対し「多くの人がDGAsに混乱しています。慢性疾患を防ぐために、ソーダのような糖入り飲料や、赤身肉や加工肉の摂取を減らす必要があることは科学的根拠に基づいており明白です。ところがどちらも最終的なDGAsに含まれていないのです」とコメントしています。

■参考文献
The Boston Globe「Nutrition experts criticize new federal dietary guidelines

 一方、DGAsの検討委員会のメンバーの1人である、ハーバード大学フランク・フー教授は、同大学の学内ニュースで、DGAsが改善した点と問題点を、以下のように評価しました。

【改善点 1】糖分摂取の上限の設定

 2015年版のDGAsは、これまでのガイドラインとの違い、「1日の摂取カロリーのうち、食品に添加する糖分のカロリーは10%以下に抑えること」という、糖分摂取の上限を設定しました。DGAsが、糖分の摂取量の上限を設定するのは初めてのことです。

 ちなみに、添加された糖分とは、果物のような食品に自然に含まれる糖分に対して、清涼飲料水、ケーキ、クッキーやキャンデーのような食品を加工するときに加える糖分を示します。ただし実際、10%以下といわれても、それぞれの加工食品に、どれだけ糖分が含まれているのかは分かりにくいですよね。そこで米食品医薬品局は、これまでは食品に含まれる糖分をすべて一緒に表示していましたが、今後、食品に添加した糖分を別に表示する予定です。

【改善点 2】低脂肪ダイエットではなく、低飽和脂肪酸ダイエットへ

 これまでのガイドラインとの違い、総脂肪摂取量の上限が削除されました。そして不飽和脂肪酸、特に多価不飽和脂肪酸の摂取をより重視しています。ただし、「1日の摂取カロリーのうち、飽和脂肪酸からのカロリーは10%以下に抑える」ことが設定されました。つまり低脂肪ダイエットではなく、低飽和脂肪酸ダイエットを心がけるということです。

【改善点 3】カロリー総摂取量よりヘルシーな食事パターンを重視

 DGAsは、カロリーの総摂取量や特別な食品の制限よりも、地中海式ダイエットやベジタリアンダイエットのような、ヘルシーな食事のパターンを取ることに重点を置いています。これらのパターンは、それぞれの文化や好みに応じて適応できるのが優れているところです。つまり、変に欧米式のダイエットを取り入れなくても、ヘルシーな食材を用いた和食を取るようにすれば良いのです。

 また、1日3~5カップ(1カップ=8オンス、約240ml)の適度なコーヒーの摂取は、ヘルシーな食生活の1つとみなされます。ただし、砂糖とクリームを入れ過ぎには注意してください。

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