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医学博士 大西睦子のそれって本当? 食・医療・健康のナゾ

脳を鍛えれば食欲は抑えられる!?

ジャンクフードよりヘルシー食を好むようにする秘訣とは?

 大西睦子

脳の再トレーニングで、ヘルシーな食事が好きになる

 2つ目の報告は、米国ボストンのハーバード大学やタフツ大学の研究者らによるものです。研究者らは、不健康で高カロリーの食品ではなく、健康的で低カロリーの食品を好むように、脳を鍛えることができることを示しました。



 研究者らは、「一旦、不健康な食品に依存する脳内報酬系回路が確立されてしまうと、戻ることは困難、あるいは不可能」という考えに疑いを抱きました。

 そこで、不健康な食品への欲望と誘惑のため、体重が増加してきた人に、脳が健康的な食べ物を選択するための再訓練ができるかどうかを調べました。

 具体的には、13人の太りすぎ、もしくは肥満の成人男女の脳内報酬系の調査です。13人のうち、8人はタフツ大学の研究者が設計した新しい減量プログラムに参加、5人は減量プログラムには参加せずにコントロールしました。調査は6カ月間。両グループとも調査の開始時と終了時に、MRI(Magnetic Resonanse Imaging;磁気共鳴画像)を撮りました。

 その結果、減量プログラムに参加した人たちの脳内報酬系領域の変化が明らかになりました。6カ月後、減量プログラムに参加人たちのこの領域は、健康で低カロリーな食品への感受性が増加していました。つまり、健康的な食品を食べたときの報酬が増加し、喜びを示すようになったのです。

 同時に不健康な高カロリー食品への感受性は低下しました。

 ジャンクフードなどの加工食品は「やめられない、止まらない」状態に脳を導くようですが、ヘルシーな食事は、逆に脳内報酬系を鍛えてくれることが分かってきたわけです。つまり、ヘルシーな食欲を得るためには、加工食品ではなく、バランスのよい食事が鍵です。脳を鍛えて健康になりましょう。

大西睦子(おおにし むつこ)
医学博士
大西睦子(おおにし むつこ) 東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科にて、造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。2008年4月より、ハーバード大学にて、食事や遺伝子と病気に関する基礎研究に従事。著書に『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』(ダイヤモンド社)。
日経トレンディネット2014年9月5日付け記事からの転載です。

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